研究課題/領域番号 |
18H03761
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
横井 浩史 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90271634)
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研究分担者 |
高木 岳彦 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 臓器・運動器病態外科部, 部長 (00348682)
東郷 俊太 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (30751523)
姜 銀来 電気通信大学, 脳・医工学研究センター, 准教授 (70508340)
加藤 龍 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70516905)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 筋電義手 / 導電性高分子 / 感覚フィードバック / 筋電制御システム / センサグローブ / 導電性シリコーン |
研究実績の概要 |
本研究は,前腕切断者用の筋電義手として,自由度(DOF)の高い運動能力と感覚の代替機 能の実現を目指して,指先の触圧感覚と関節角のフィードバック機構を有する5指ハンドの開発を行い,筋電制御システムを利用して,切断者の手指動作の再建の課題に挑戦する. 課題は,メカ開発とセンサグローブ開発の2項目からなる. メカ開発では,ワイヤー干渉駆動法を用いて軽量・多自由度・高出力を有する5指ロボットハンドを試作し,性能評価を通して改良し,筋電義手に適用可能な設計法を明らかにすることを目指した.2020年度においては,出力特性の評価と筋電位信号を用いた動作制御システムとの融合を図り,筋電位信号によって,5指ハンドの全指開閉や45指開閉,母指の並立対向制御に成功した. センサグローブ開発においては,導電性シリコンを応用することにより,指先の触圧と関節角を計測し,これを振動子を用いて断端部ソケットに伝達することを目的として,開発を進めた.2020年度においては,さらに,感覚のフィードバックの方法として視覚への映像変化として情報提示を行う方法を開発し,前述の触覚と聴覚へのフィードバックとのパフォーマンス比較実験を行った.これら3種類のモダリティの比較実験の結果,物体の識別能力が最も高かったのは,聴覚へのフィードバックであることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メカ開発,センサグローブ開発ともに,当初の計画通り開発を進めることができたため,課題の進捗は,おおむね順調に進展していると判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の開発により,触知覚や運動知覚を複数のモダリティに対してフィードバックできるシステムの原理設計を完成させることができたため,次年度はこのシステムの小型化と義手への搭載を行うことによって,運動に呼応して生じる運動主体感と接触によって生じる身体所有感を感じることのできる筋電義手の開発を目指す.
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