研究分担者 |
西村 寿彦 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (70301934)
林 和則 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (50346102)
衣斐 信介 同志社大学, 理工学部, 准教授 (10448087)
石橋 功至 電気通信大学, 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター, 准教授 (80452176)
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研究実績の概要 |
1000個程度の超多数IoTデバイスを同時に収容し, 超多数のアンテナ, 観測シンボル, あるいは, 観測サブキャリア (ただし, 総数はデバイス数未満の過負荷状態) を用いて多数信号の同時信号検出を信号数の2乗オーダーで実現することを目的としている. 2019年度は第2年度であり, 2018年度の研究成果を進展させることを目的とした.
IoTデバイスを取扱う際, 基地局に事前に送信許可を依頼しないグラントフリー方式が注目されている. グラントフリー方式において, 多数IoTデバイスが存在する環境で同時送信した信号を分離検出するためには, まず送信したアクティブIoTデバイスを検出する必要がある. この解として, 圧縮センシングを応用してアクティブデバイスを検出することを提案し, 近似メッセージ伝搬を用いて低計算量で十分な特性が得られることを明らかにした. また, グラントフリーか否かに関わらず, 多数IoTデバイス信号検出には, チャネル推定が不可欠である. 長期間通信路統計量の利用や, 独立成分分析, 敵対的生成ネットワークを用いたチャネル推定についても検討を開始した.
信号検出根幹部分に関しては, 過負荷対策として, ビーム空間プリプロセッシングを用いた部分空間周辺化, 非凸最適化に基づく離散値ベクトル再構成, 16点SCMAにおける最適サブキャリア利用率の導出などを行い, 過負荷時でも問題なく機能することを明らかにした. 付随する研究成果として, 近似メッセージ伝搬における量子化ビット低減のためのLookup Table化やノード選択適用時のオンサーガ項係数設定についても検討した.
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今後の研究の推進方策 |
数100オーダーのIoTデバイスまで検討が進んでいる. 今後はさらに多くのIoTデバイスを考慮して検出特性を評価したい. また, 信号検出のアプローチとして, ガウス確率伝搬法に加えて, 非凸最適化に基づく離散値ベクトル再構成, 近似メッセージ伝搬へとタイプが広がった. 一方, ビームを用いた部分空間周辺化やノード選択, メッセージへの適応的重み付けなど, いくつかの特性改善手法があり, グラントフリーかどうかも含め, 種々の組み合わせ評価や, 横断的な基礎理論導出を目指した検討など進めていく予定である.
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