研究課題
①決定論的ドーピング法の多元化と量子機能の発現:イオン注入によりSi中に導入したErからのフォトルミネッセンス特性評価において、Siナノ構造作製プロセスを改良し、ドライエッチングダメージによる背景光強度を抑制することで、発光強度を2倍に向上させることに成功した。光学シミュレーションとの比較検討は、Erの発光波長帯である1.5μmの蛍光がナノ構造中で共鳴するのでなく、励起光(波長785 nm)がナノ構造中で共鳴し、結果としてナノ構造中のErが強い励起光で励起されることを明らかにした。また、Gd、P、B、SiをNVセンター含有蛍光ナノダイヤモンドにイオン注入し、NVセンターの電荷安定性への寄与を水溶液中での電気化学計測により調べた。Gdを注入した蛍光ナノダイヤモンドのNVセンターが通常とは逆の印加電圧に対する応答を示すことを発見した。②単一ドーパント量子ドットを用いたTHz波検出器の開発と量子コヒーレント制御:イオン注入したシリコン基板に対するTHz光応答特性を調べ、基板全体のマクロな分光測定から特徴的な共鳴スペクトルを観測した。低エネルギーの光励起による検出器応用や量子制御への可能性を示すものである。また、イオン注入された狭い空間領域に、波長の長いTHz光を集光させる新たな構造体の作製・評価を行った。電磁界シミュレーションとも合致する振舞いを観測し、検出性能の向上につながることを示した。③単一ドーパント量子物性制御デバイスの回路実装:単一ドーパント情報処理回路向けのシミュレータ作成を進めた。単一ドーパント量子系に発現する現象・動作を表現するシミュレータの開発を進めると同時に、同回路に実装する具体的な自然・生物的情報処理アーキテクチャとして最近注目されているリザーバコンピューティングの要素を取り入れ、試作中のシミュレータにてその動作確認を進め、それらの有用性を確認した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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