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2018 年度 実績報告書

次世代道路交通システムのためのグローカル交通流制御

研究課題

研究課題/領域番号 18H03774
研究機関東京工業大学

研究代表者

井村 順一  東京工業大学, 工学院, 教授 (50252474)

研究分担者 石崎 孝幸  東京工業大学, 工学院, 助教 (10650335)
早川 朋久  東京工業大学, 工学院, 准教授 (30432008)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード交通流制御 / 信号機制御 / 速度制御
研究実績の概要

本年度は,①都市交通流モデルの基礎的な数理モデルの構築,②制御系設計の基礎理論の構築,および,③数値シミュレーションのためのプラットフォームの枠組みの構築を行った。具体的にはつぎのとおりである。
①.道路交通システムにおけるミクロからマクロまでの振る舞いの間の相互作用を考慮した数理モデルの構築に向けて,まずは道路交通システムのマクロモデルの構築のための数値シミュレーションによる検討を実行した結果,多次元マクロスコピック基本図を提案した。これまでも通常の車両速度と車両台数の特性を表現する数理モデルである基本図をマクロな状態に拡張したマクロスコピック基本図が提案されていた。しかし,基本図が示す関係性のばらつきが大きく訂正的な傾向を示すものにすぎなかった。本提案では,入力となる要因を多次元化することで,これまであいまいとされてきた台数と車両速度との関係が超平面として表現できることを示した。
②.1つの交差点における信号機と車両群の相互作用を考慮した制御問題に着目し,さらに人間による車両と自動運転車が混在する場合でも最適に協調制御する手法を見出した。これにより1つの交差点に関する信号機ー車両間の最適制御の基礎理論を構築した。
また,より実用性を考慮するためにアップダウンする状況での車両制御について基礎理論を構築した。
③.VISSIMを用いた数値シミュレーションプラットフォームの基礎を構築し,1のマクロ交通流の解析のために利用し,最終的に1で述べたように多次元マクロスコピック基本図という新しい概念を導出することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

課題①~③について実施したが,課題①に関してマクロな振る舞いをモデル化する上で非常に重要な基本概念を提案することができた。また,課題②についても信号機と車両群の間の協調制御理論の基礎を構築することができた。課題③については数値シミュレーションの構築だけでなく,それを用いたことで課題①の結果がにつながったことが大きいと考えている。

今後の研究の推進方策

課題①については,得られたマクロスコピック基本図が妥当となる状況をより精査するとともに,制御問題への活用を検討する。課題②については,複数交差点の場合への拡張の可能性を検討していく。また,課題③については,自動運転だけではうまくいかないことを示すことができる交通流シミュレータを構築し,課題②の車両間制御の高度化につなげていく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] Monash University Malaysia(マレーシア)

    • 国名
      マレーシア
    • 外国機関名
      Monash University Malaysia
  • [雑誌論文] Development and Evaluation of an Adaptive Traffic Signal Control Scheme Under a Mixed-Automated Traffic Scenario2019

    • 著者名/発表者名
      Kamal Md Abdus Samad、Hayakawa Tomohisa、Imura Jun-ichi
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Intelligent Transportation Systems

      巻: - ページ: 1~13

    • DOI

      10.1109/TITS.2019.2896943

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Road-Speed Profile for Enhanced Perception of Traffic Conditions in a Partially Connected Vehicle Environment2018

    • 著者名/発表者名
      Kamal Md Abdus Samad、Hayakawa Tomohisa、Imura Jun-ichi
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Vehicular Technology

      巻: 67 ページ: 6824~6837

    • DOI

      10.1109/TVT.2018.2826067

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Eco-driving on Hilly Roads Using Model Predictive Control2018

    • 著者名/発表者名
      Bakibillah A.S.M.、Kamal M.A.S.、Tan C.P.、Hayakawa T.、Imura J.
    • 雑誌名

      2018 Joint 7th International Conference on Informatics, Electronics & Vision (ICIEV) and 2018 2nd International Conference on Imaging, Vision & Pattern Recognition (icIVPR)

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1109/ICIEV.2018.8640987

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 不均一な交通状況での多次元マクロスコピック基本図の提案2018

    • 著者名/発表者名
      石原 隆宏, 石崎 孝幸, 井村 順一
    • 学会等名
      第61回自動制御連合講演会

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公開日: 2019-12-27  

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