研究課題
本研究では、超伝導回転機(発電機、電動機)、インバータ、超伝導ケーブル、および、液体燃料と熱交換して超伝導システムを冷却する冷却装置から成る航空機電気推進システムの研究開発を行った。120-200人乗りの1通路ナローボディ相当の航空機を想定して全推力は20MWとし、これを複数の発電機、電動機で担わせる構成とした。超伝導線材は、高電流密度特性により鉄の飽和磁束密度以上の高磁界を容易に発生でき、回転機の無鉄心化を可能にし、常電導機と比較して圧倒的な小型・軽量化をもたらす。回転機は、二次元磁気双極子モーメントが磁界中で回転トルクを受ける、電機子巻線に三相交流を通電することにより大きさ一定、定速の回転磁界が発生する、と言う原理原則に立ち返り、これまでの鉄と銅線で構成された回転機の設計理論・経験則から脱却し、全超伝導回転機の設計指針について検討した。また、燃料にLH2を選定することにより、燃料の冷熱を回転機の冷却に活用し、電機子は絶縁耐力と冷却能力の観点からサブクール液体窒素(65K)もしくは液体水素(20K)浸漬冷却とし、回転界磁子はヘリウムもしくは水素ガスの密閉空間で自らの回転によりガス冷却され、このガスは電機子容器の内壁により冷却される構造とした。まず、REBCO超伝導テープ線材の通電特性、交流損失特性を実測し、また独自に考案したREBCO薄膜テープ線材の低交流損失化・大電流容量化の手法を適用した超伝導導体の電磁特性を評価して、ギャップ磁束密度Bg、動作温度Top、電動機個数(ファン径・回転数)をパラメータとして、全超伝導同期機の重量、交流損失(発熱)、必要超伝導線材長等のパラメータ依存性を調べ、航空機用全超伝導同期発電機・電動機の最適構造を数値解析による特性評価を通じて探った。最終年度は、主に航空機用電気推進システムの構成とエネルギー・熱収支等システム全体の設計検討を行った。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEEE TRANSACTIONS ON APPLIED SUPERCONDUCTIVITY
巻: 31 ページ: 5200706
10.1109/TASC.2021.3055452
巻: 31 ページ: 5900806
10.1109/TASC.2021.3062792