研究課題/領域番号 |
18H03788
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
坂本 高秀 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (70392727)
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研究分担者 |
梅沢 俊匡 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワークシステム研究所ネットワーク基盤研究室, 主任研究員 (20636047)
久利 敏明 国立研究開発法人情報通信研究機構, 耐災害ICT研究センター応用領域研究室, 室長 (30359070)
千葉 明人 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (30435789)
呂 国偉 東海大学, 創造科学技術研究機構, 准教授 (30599709)
川西 哲也 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40359063)
山本 直克 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワークシステム研究所ネットワーク基盤研究室, 室長 (60328523)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 光通信 / 光変調 / 光復調 / 光信号処理 |
研究実績の概要 |
本年度は,数値計算により,光時間周波数離散直交変換器の原理の確認をおこなった.本研究の第一の課題である,超高速光変調機能の実証に向け,その原理確認を行った.具体的には,超高速光変調に不可欠な,1)光直交変調,2)直交基底整形,3)時間周波数投影,の各機能を,検討する位相変調アレイ構造を用いることにより実施できることを確認した. まず,光多周波成分からなる光コム信号の発生を検討することにより,静的な動作の原理確認及び理論整備を行った.第一段階として,数値計算により,並列型光変調器を用いることにより,駆動電気信号の2倍間隔を持った光コムを生成することができ,かつその偶数時モード奇数次モードを選択的に生成できることを示した.また,変調光のペアリングにより,生成される光コム信号の持つスペクトルを平坦化できることを確認した.続いて,この原理を拡張し,駆動電気信号の4倍間隔を持った平坦光コム信号を発生できることも併せて確認した.これらの検討結果は,光時間周波数離散直交変換器の原理の裏付けとなるものである.これらの結果をまとめ,著名国際会議で成果発表を行った.また,静的動作に関する検討結果を元に,動的な動作についても検討を進め,結果等を取りまとめているところである.以上の数値計算の検討結果を元に、位相変調アレイ型の光時間周波数離散直交変換器の設計,開発に着手した.次年度以降の実験実証へとつなげていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
以下の理由により,本年度の研究計画を変更して,研究を進めてきた. 基底信号生成に関する数値計算の結果,事前の簡易モデルによる予測と異なり,基底生成回路を駆動する信号に対し,より精細な信号処理を要することが判明した.この効果を見極めることが必要なため,計算モデルの変更も含め基底信号生成に関する再計算作業を追加する必要が生じた.また,当初より複雑なモデルを用いることが必要なため,光時間周波数離散直交変換の原理の数値確認には想定の検討時間追加を要した. この予定変更を行った上で,当初予定していた研究計画を実施した.予定は遅れながらも,順調に研究は進捗している.
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今後の研究の推進方策 |
研究開発の次の段階としては,今年度の検討を踏まえた上で,位相変調アレイ型の光時間周波数離散直交変換器の設計,開発を開始する.設計に関しては,必要な光導波路仕様,電極仕様を明らかにした上で,開発を行っていく.また,光時間周波数離 散直交変換器を駆動するための光回路,マイクロ波,電子回路の準備も併せて開始する. 長期的には,光時間周波数離散直交変換器・逆変換器ペアを開発し,超高速・超広帯域光変復調,信号処理が行えることを示していく.
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