水害時における避難行動理論の構築

2020 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 18H03793
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 片田 敏孝 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任教授 (20233744)
• 研究分担者: 金井 昌信 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (20375562) ; 関谷 直也 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (30422405) ; 越山 健治 関西大学, 社会安全学部, 教授 (40311774) ; 廣井 悠 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (50456141) ; 秦 康範 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (70360849) ; 矢守 克也 京都大学, 防災研究所, 教授 (80231679) ; 牛山 素行 静岡大学, 防災総合センター, 教授 (80324705) ; 永松 伸吾 関西大学, 社会安全学部, 教授 (90335331) ; 本間 基寛 一般財団法人日本気象協会, 専任主任技師 (80643212) ; 及川 康 東洋大学, 理工学部, 教授 (70334696)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: 避難 / リスクコミュニケーション / 災害情報 / 防災教育 / 水害

研究実績の概要

本研究では、風水害時における避難のあるべき姿を体系化し、避難に関する行動理論の構築を目指す。避難に関する情報収集技術の進展、メディアの多様化、防 災への関心の高まりを踏まえ、人的被害の軽減に資する、より実践的な風水害時避難のあり方の体系化の研究を実施するものである。
2020年度から2022年度にかけて、避難情報の被害軽減効果に関する研究、避難を検討するにあたっての災害犠牲者とハザードの関係性の検討。豪雨災害における犠牲者数の推定に関する研究、また、避難所、広域避難、避難に関する理論的検討などについて各自が検討を行い、議論、検討を行った。2022年度の本研究として実施した実証研究としては、モザンピーク共和国でのリクンゴ川下流域での早期避難に関する事例研究を実施した。①水害からの早期避難を阻害する要因は何か、また②早期避難を可能とする科学技術はどのようなものかについて、関係者へのインタビュー調査を2022年8月29日から9月7日にかけて実施した。インタビュー先は中央政府について、モザンビーク防災省（INGD）のうち危機対応局（CENOE）,災害予防局（DPM）またその地方組織であるザンベジア州災害対策本部、水資源庁（DNGRH）またその地方組織である北部水資源管理局（ARA-Norte）マガンジャダコスタ市、モクバ市およびマガンジャダコスタ市の自主防災組織（CLGRC）などについて調査を行った。早期警報システムに関して自治体の監視能力不足、維持管理費の不足、観測機器の破壊行為などが課題であった。住民側の問題として知識不足、早期警報システムへの信頼不足、目視情報への過度な信頼、情報伝達手段が太鼓や口伝に依存していることなどが問題であった。また、対応資源（ボートなど）の欠如、作物や農地を失うことへの恐怖、コミュニティにおける社会関係資本の欠如などが課題であることを確認した。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [国際共同研究] モザンビーク防災省（INGD）/モザンビーク水資源庁（DNGRH）/ザンベジア州災害対策本部(モザンビーク)
  • 国名: モザンビーク
  • 外国機関名: モザンビーク防災省（INGD）/モザンビーク水資源庁（DNGRH）/ザンベジア州災害対策本部
  • 他の機関数: 4
• [雑誌論文] 線状降水帯に関する情報に対する住民の受け止め方の調査 (2023)
  • 著者名/発表者名: 本間基寛、牛山素行
  • 雑誌名: 災害情報 巻: 21 ページ: 35~45
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 首都圏大規模水害と都民の意識―2022年東京都民調査から― (2023)
  • 著者名/発表者名: 内田 充紀、安本 真也、富澤 周、葛西 優香、関谷 直也
  • 雑誌名: 東京大学大学院情報学環情報学研究. 調査研究編 巻: 39 ページ: 147～168
  • DOI: 10.15083/0002007280
  • オープンアクセス
• [雑誌論文] 避難情報は人的被害を軽減したか－平成30 年7 月豪雨・令和元年東日本台風の実証分析 (2022)
  • 著者名/発表者名: 永松伸吾・牛山素行・関谷直也・鈴木進吾
  • 雑誌名: 災害情報 巻: 20 ページ: 51～62
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Basic Analysis of Information Indicating Weather Disaster Potential : Through analysis of characteristics of information and survey of awareness (2022)
  • 著者名/発表者名: TAKENOUCHI Kensuke、SUZUKI Shunpei、HONMA Motohiro、YAMAGUCHI Kosei、SAYAMA Takahiro、OIKAWA Yasuchi、ONISHI Masamitsu、YAMORI Katsuya
  • 雑誌名: Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. F6 (Safety Problem) 巻: 78 ページ: I_141～I_152
  • DOI: 10.2208/jscejsp.78.2_I_141
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Investigating Public Perceptions Concerning the Acceptability and Effectiveness of Nudges for Disaster Risk Reduction Efforts in Japan (2022)
  • 著者名/発表者名: Culau Luiza、Yamori Katsuya、Nakano Genta
  • 雑誌名: IDRiM Journal 巻: 11 ページ: 57-77
  • DOI: 10.5595/001c.34068
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] 防災ナッジの概念整理～Nudge or Judge? それが問題だ～ (2022)
  • 著者名/発表者名: 中野元太、矢守克也、クラウ, L.
  • 雑誌名: 自然災害科学 巻: 41 ページ: 23～38
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 起こらなかった災害に関する研究 : 防災学におけるIFの効用について (2022)
  • 著者名/発表者名: 矢守 克也
  • 雑誌名: 災害と共生 巻: 5 ページ: 15～24
  • DOI: 10.18910/86908
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] ナラティヴ論の視点に立った防災・減災研究と復旧・復興研究 との融合 (2022)
  • 著者名/発表者名: 矢守克也
  • 雑誌名: 災害情報 巻: 20 ページ: 41～50
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 令和3年8月の大雨での降水量と犠牲者発生の関係性の検証 (2022)
  • 著者名/発表者名: 本間基寛、牛山素行
  • 雑誌名: 自然災害科学 巻: 41 ページ: 1～18
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 日本における避難所の課題解決に資する空間配置及び空間利用に関する事例研究 (2022)
  • 著者名/発表者名: 有吉 恭子、越山 健治
  • 雑誌名: 災害情報 巻: 20 ページ: 285～295
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 日本における災害時避難所空間の利用経緯とその影響 (2022)
  • 著者名/発表者名: 有吉 恭子、越山 健治
  • 雑誌名: 地域安全学会論文集 巻: 41 ページ: 143～153
  • DOI: 10.11314/jisss.41.143
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 水害時の避難に伴う犠牲者について (2022)
  • 著者名/発表者名: 牛山素行
  • 雑誌名: 自然災害科学 巻: 41 ページ: 189～202
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 全国的な自治体間の応援受援活動の実態把握 (2021)
  • 著者名/発表者名: 宇田川 真之、永松伸吾
  • 雑誌名: 地域安全学会論文集 巻: 38 ページ: 203～213
  • DOI: 10.11314/jisss.38.203
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] COOPERATIONS BETWEEN COMMUNITY AND LOCAL GOVERNMENT IN THE CONSTRUCTION OF COMMUNITY EVACUATION SWITCH THROUGH THE CASES IN FUKUCHIYAMA CITY, KYOTO IN JAPAN (2021)
  • 著者名/発表者名: TAKENOUCHI Kensuke、TAKAHASHI Kazutoshi、YAMORI Katsuya
  • 雑誌名: Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. F6 (Safety Problem) 巻: 77 ページ: I_44～I_52
  • DOI: 10.2208/jscejsp.77.2_I_44
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 豪雨災害における犠牲者数の推定方法に関する研究 (2021)
  • 著者名/発表者名: 本間基寛、牛山素行
  • 雑誌名: 自然災害科学 巻: 40 ページ: 157～174
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 2019年台風19号による人的被害の特徴 (2021)
  • 著者名/発表者名: 牛山素行、本間基寛、横幕早季、杉村晃一
  • 雑誌名: 自然災害科学 巻: 40 ページ: 81～102
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] 降雨規模と家屋被害発生の関係性分析 (2023)
  • 著者名/発表者名: 本間基寛、小野大樹、遠藤理
  • 学会等名: 日本災害情報学会第26回大会
• [学会発表] 災害制御可能感がもたらすもの (2023)
  • 著者名/発表者名: 及川康
  • 学会等名: 日本災害情報学会第26回大会
• [学会発表] 2022年の風水害による人的被害 (2023)
  • 著者名/発表者名: 牛山素行
  • 学会等名: 日本災害情報学会第26回大会
• [学会発表] キキクル（危険度分布）等を用いた避難情報の検討 －2022年8月の新潟県の線状降水帯等による大雨－ (2023)
  • 著者名/発表者名: 向井利明、牛山素行
  • 学会等名: 日本災害情報学会第26回大会
• [学会発表] 2022年1月トンガ諸島の火山噴火に伴う津波に対する避難行動の特性 (2022)
  • 著者名/発表者名: 柴山和久、永松伸吾、加藤有祐、鈴木進吾
  • 学会等名: 日本災害情報学会第24回大会
• [学会発表] 気象災害の潜在性に関する意識調査～災害ポテンシャル情報の社会における活用に向けて～ (2022)
  • 著者名/発表者名: 竹之内健介、鈴木舜平、本間基寛、山口弘誠、佐山敬洋、及川 康、大西正光、矢守克也
  • 学会等名: 日本災害情報学会第24回大会
• [学会発表] 令和３年８月の大雨での降水量と人的被害発生の関係性 (2022)
  • 著者名/発表者名: 本間基寛、牛山素行
  • 学会等名: 日本災害情報学会第24回大会
• [学会発表] 風水害時における宿泊施設への避難意向に関する調査 (2022)
  • 著者名/発表者名: 本間基寛、後藤祐輔、戸谷洋介、諸原慎之介、牛山素行
  • 学会等名: 日本災害情報学会第25回大会
• [学会発表] トンガ沖噴火から考える「避難情報廃止論」 (2022)
  • 著者名/発表者名: 及川康
  • 学会等名: 日本災害情報学会第24回大会
• [学会発表] 広島ナッジの再々検証～その人にとっての最適ナッジ～ (2022)
  • 著者名/発表者名: 及川康
  • 学会等名: 日本災害情報学会第25回大会
• [学会発表] 2021年8月の大雨による人的被害の特徴 (2022)
  • 著者名/発表者名: 牛山素行、本間基寛
  • 学会等名: 日本災害情報学会第24回大会
• [学会発表] 災害被災家屋写真を巡る一考察 (2022)
  • 著者名/発表者名: 牛山素行
  • 学会等名: 日本自然災害学会第41回学術講演会
• [学会発表] 人的被害規模から見た2021年熱海土砂災害の特徴(序報) (2022)
  • 著者名/発表者名: 牛山素行
  • 学会等名: 日本災害情報学会第25回大会
• [学会発表] 防災における「型」の構築：その戦略と可能性について (2021)
  • 著者名/発表者名: 永松伸吾
  • 学会等名: 日本災害情報学会第23回大会
• [学会発表] 線状降水帯情報に対する住民の受け止め方に関する調査 (2021)
  • 著者名/発表者名: 本間基寛
  • 学会等名: 日本災害情報学会第23回大会
• [学会発表] 主体的避難のための臨床防災哲学 (2021)
  • 著者名/発表者名: 及川康
  • 学会等名: 日本災害情報学会第23回大会
• [学会発表] 風水害犠牲者の分類名「避難行動なし」の再検討 (2021)
  • 著者名/発表者名: 牛山素行
  • 学会等名: 日本自然災害学会第40回学術講演会
• [学会発表] 2021年7月3日熱海市土砂災害における人的被害 (2021)
  • 著者名/発表者名: 牛山素行
  • 学会等名: 日本自然災害学会第40回学術講演会
• [学会発表] 人的被害と家屋被害の関係から見た2021年8月の大雨 (2021)
  • 著者名/発表者名: 牛山素行
  • 学会等名: 日本災害情報学会第23回大会
• [学会発表] 大雨警報（土砂災害）の運用実績と課題 －警戒レベル３相当情報としてみた場合－ (2021)
  • 著者名/発表者名: 向井利明、牛山素行
  • 学会等名: 日本災害情報学会第23回大会
• [学会発表] 沿岸部住民における津波・洪水の危険度認知と避難行動意向 ～東日本大震災から10年を迎えて (2021)
  • 著者名/発表者名: 杉村晃一、牛山素行
  • 学会等名: 日本災害情報学会第23回大会
• [図書] 災害情報ー東日本大震災からの教訓 (2021)
  • 著者名/発表者名: 関谷 直也
  • 総ページ数: 640
  • 出版者: 東京大学出版会
  • ISBN: 978-4-13-056126-6
• [備考] 豪雨災害と防災情報を研究する disaster-i.net 静岡大学防災総合センター 牛山研究室
  • URL: http://www.disaster-i.net/
• [備考] 関西大学社会安全学部・大学院社会安全研究科 減災政策研究室
  • URL: http://semi.disasterpolicy.com/wordpress/
• [備考] 山梨大学土木環境工学科 秦研究室（防災研究室）
  • URL: https://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~yhada/index.html
• [備考] 東京大学片田研究室
  • URL: http://www.katada-lab.jp/
• [備考] 京都大学防災研究所 矢守研究室
  • URL: http://idrs.dpri.kyoto-u.ac.jp/yamorilab/