研究課題
2021年度は、3つのサブテーマについて、以下のようにそれぞれ検討を行い、4年間の研究成果を取りまとめた。サブテーマ(1)「土構造物中の重金属等の挙動に関する考察」では、継続して土構造物中の重金属等の挙動について検討を進めた。特に、実環境での降雨を再現した散水型の不飽和カラム試験を長期間にわたり継続したことに加え、カラム通水試験で得られる時間ー溶出濃度プロファイル(以下、破過曲線)を用いて、溶出挙動パターンを大別する手法を提案したことが、主要な成果として挙げられる。特に、自然由来重金属等のうちホウ素やセレンの破過曲線が単調減少し、2 PVF程度で速やかに溶出が終了する物質を「易溶性」と定義し、ヒ素やフッ素のように溶出が比較的長期に継続する可能性を示したことは、対策工の設計に資する重要な成果である。サブテーマ(2)「環境化学と地盤力学・施工学に基づく原地盤や吸着層の緩衝能の評価」では、人工的に設けられる吸着層や原地盤の緩衝能を環境化学と地盤力学・施工学の観点から評価することで、合理的な対策工法・設計手法に資する検討を行った。具体的には、粒度の異なる8種類の吸着材をそれぞれまさ土に混合して供試体を作製し、吸着層の締固め特性、BET比表面積、バッチ吸着試験を実施した。その結果、比較的粗粒な吸着材でもヒ素吸着能が期待できることを明らかにした。また、吸着層に添加する材料が施工時や施工後に地盤中の水分によって水和することを想定し、吸着材を浸水した際の組成変化をXRD分析とカラム通水試験によって評価することで、吸着性能が低下しうる可能性を評価できることを明らかにした。サブテーマ(3)「Sustainable Soil Management (SSM)の概念に基づく地盤環境基準の提案」では、本研究で得られた成果をもとにカラム通水試験の標準化や地盤改良に関する各種マニュアルの作成を行った。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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