研究課題/領域番号 |
18H03802
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
金久保 利之 筑波大学, システム情報系, 教授 (90261784)
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研究分担者 |
菊田 貴恒 東北工業大学, 建築学部, 准教授 (20599055)
田嶋 和樹 日本大学, 理工学部, 教授 (60386000)
八十島 章 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80437574)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 建築構造 / DFRCC / 架橋性能 / 引抜性状 / 有限要素解析 / ひび割れ幅 |
研究実績の概要 |
本研究の手法は、Ⅰ:単繊維の引抜試験、Ⅱ:DFRCCの要素実験、Ⅲ:DFRCC部材の有限要素解析、Ⅳ:DFRCC部材の加力実験と構造性能の評価であり、同時進行で研究を推進した。 Ⅰに関して、太径および細径のアラミド、PP、PVA繊維について、単繊維の引抜試験を行った。PVA繊維では化学的な付着力により荷重レベルが高く、付着が剥離した時点で瞬間的な引抜け挙動が生じた。アラミド繊維では繊維強度が高いため、スナビング効果がより明確に表れた。太径アラミド繊維ではマトリックス圧縮強度のべき関数で引抜強度を表現し得ることを確認した。 Ⅱに関して、異形鉄筋との付着実験および角柱供試体による一軸引張試験を行った。付着実験では付着長を鉄筋径の4倍とした引抜き試験を実施し、繊維混入率による最大付着応力の増加およびピーク後の荷重維持効果を確認した。一軸引張試験では、昨年度提案したひび割れ幅算定式との適合性を検証した。さらに、繊維種類による架橋則の差異がひび割れ幅に及ぼす影響を検討し、特に、架橋則の初期勾配が大きく影響することを明らかにした。 Ⅲに関して、鉄筋量が梁のせん断挙動に及ぼす影響に着目した解析を重点的に行った。肋筋量が増すと抵抗機構における肋筋負担に遅れが生じて破壊モードが変化し、必ずしも繊維負担を加算できるわけではないこと、解析上梁端部の圧縮領域の破壊が先行し、繊維のひび割れ分散効果が十分発揮できない場合があることが判明した。 Ⅳに関して、ト形柱梁接合部における梁主筋の定着実験を行うとともに、繊維種類による柱梁接合部の挙動の比較およびせん断強度評価を行った。柱梁接合部のせん断強度は、材料試験としての曲げ試験より得られたDFRCCの引張強度を用いることで評価可能であった。さらに、片側柱付き耐震壁の加力実験を行い、最大荷重時のひび割れ幅は繊維架橋により半分程度に抑制されることを確認した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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