研究課題
2019年度は研究初年度(2018年度)に引き続き,以下の研究課題に取り組んだ.(1)文献調査を基に,各種のガス状汚染物質(ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,アクロレイン,ベンゼン,トルエン,ニコチン)を対象として代謝反応速度定数,組織内拡散係数,酵素反応を示すMichaelis- Menten式のモデルパラメータを同定した.人体周辺環境と細胞組織が接触する気相-粘膜相界面における各種汚染物質の分配定数 (Partition Coefficient)も文献調査を行うことでデータベースとして整理した.(2)同定したモデルパラメータを経気道暴露用生理的薬物動態(PBPK)モデルと経皮暴露用PBPKモデルに統合し,非定常呼吸を再現した感度解析を実施すると共に,in vivo実験結果と比較することで予測精度を定量的に検証した.(3)経気道暴露評価用の数値気道モデルを対象として,Lagrangeモデルを用いたナノスケール粒子からマイクロスケール粒子の気道内沈着量分布解析を実施した上で,気道内の粒子沈着分布を定量的に表示する可視化手法を整備した.この手法にて気道内のHot Spot分布に粒径依存性が強く存在することを確認した.(4)数値人体モデルとPBPKモデルの連成解析手法としてFull-coupling法の他,PBPKモデルの連成頻度を調節したQuasi-coupling法を検討し,解析精度を維持した上で計算速度向上を図るための基礎検討を実施した.
2: おおむね順調に進展している
研究計画に従い,当初の予定通りに研究を進めている.
研究計画に従い,実直に研究を推進する.現時点で研究計画変更の必要性や大きな問題点は無いと考えている.しかしながら,昨年度からの継続課題としてPBPKモデルを統合したin silico人体モデルとCFDの連成解析の計算負荷が非常に大きく,境界条件を変化させたパラメトリック解析の実施の制約となっている.この問題に対し,PBPKモデルのカップリング頻度を調整することで計算速度の向上が可能となることを確認しているが,更に,計算機側の能力も増強することで全体的な計算速度の改善を図り,効率的に複数の解析を実施可能な研究環境を構築する予定である.
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 6件、 査読あり 12件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 9件) 備考 (1件)
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