研究課題/領域番号 |
18H03810
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ソーントン ブレア 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (60526789)
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研究分担者 |
高橋 朋子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭技術開発プログラム), Young Research Fellow (20806301)
Liu Zonghua 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (90844449)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | レーザ分光 / ラマン分光 / ホログラフィック / 粒子計測 / 化学分析 / センシング / 現場計測 |
研究実績の概要 |
ワークパッケージ1:小型化及び低消費電力化に関して、昨年度、小型CPU及び制御回路、マイクロチップレーザー、干渉分光と小型カメラをそれぞれ用いた実験を行い単体での性能検証を行った。これにより、今年度粒子同定を行うことが可能なことが実証された。今年度はこれらの要素技術を組み合わせた小型低消費電力システムを開発した。 ワークパッケージ2:粒子特有な光学系の開発及び長期適用化に関して、昨年度は大きさが異なる特定成分の混合された人工粒子が計測可能であることを実証した。今年度は大きさの異なる成分を用いた単体粒子計測実験及び混合粒子計測実験を行い、自然のサンプルを用いた実験を行い、別手法で計測する成分の割合との相関性を求めた。 ワークパッケージ3:統計解析によるリアルタイム粒子同定及びデータ圧縮手法の開発に関して、これまで干渉波を用いて分光スペクトルへの変換が可能であることを検証した。今年度はスペクトルに変換した信号及び元の干渉イメージを用いたデータベースを作成し、それぞれの方法による分類精度を検証した。予め決まった種類に分類された結果のみだと対象外の粒子に関する情報が残らない問題を解決するため、デ ータの圧縮にオートエンコーダーを用い、圧縮された中間層を保存・送信し、外部で、デコードすることにより対象外のターゲットに関しても情報が得られるシステムを構成した。 2020年2月に開発装置の実証試験を実施し、現在、取得データの解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
装置および解析ツールの開発は予定以上に順調に進んでいるが、2019年10月に予定していた海上試験について、例年にない想定外の大型台風により中止となり試験を実施できなかった。開発した装置については、実海域実証試験が不可欠であるため、2020年2月に実海域試験を実施した。現在、データを解析中であるが、開発したセットアップによるミリオーダーサイズのプランクトン計測への有効性が証明された。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である次年度の研究の総合化に向けて、開発したセットアップの改良(流路系統)と機能強化を行い、2020年10月に予定される海上総合試験を実施し機能を検証し、実海域で使える実用機開発の基礎とする。また、ワークパッケージ3におけるデータの解析について、AIを用いた自動分類手法を開発し、分類精度を検証する。
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