研究実績の概要 |
動的モデル構成基盤を利用して仮想サプライチェーンを構成し, さまざまな製造シナリオに動的に対応した仮想生産を実行することにより, 顧客満足度や生産性, 環境負荷, リスク対応, 安全性の観点から, 製造シナリオの検証, 製造製品の構成, サプライチェーン構成, 製造作業内容の事前検討, 製造作業の計画通りの実行を支援する情報環境の構築に必要な動的モデル構成環境を提供することを目的として, 2019年度(平成31年度)は主として, 以下の2つのサブテーマに取り組んだ. (1) SCMシミュレーションのための動的製造工場モデルの構成 (2) 均衡解のリアルタイム最適化技法による工場間製造計画の自動調整 得られた知見は以下のとおりである. (1) CPS(サイバーフィジカルシステム)パラダイムに基づく協調的で動的な企業間連携ネットワークである仮想サプライチェーンのモデルをスマート製造の概念に基づいて構築した. 仮想サプライチェーンをe-カタログで選択された各企業モデルから自動的に生成されるソフトウェアエージェントのマルチエージェントシステムとして構築するシステムを開発した.製造業者、小売業者、供給業者のeカタログ, および仮想サプライチェーンの自動構築システムを試験的に実装した. (2) 製品構成に対する顧客の意思決定モデルを反映したゲーム理論モデルによる製品構成とサプライチェーン構成の同時最適化問題をモデル化し, Stackelberg均衡解をリアルタイムに得るための高速な最適化アルゴリズムを開発した. 同時最適化問題をLagrange緩和法によって顧客単位の部分問題に分解し,Lagrange緩和と実行可能化法により, 大規模な最適化問題を効率良く求解するためのアルゴリズムを開発した.
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