研究課題
前年度までに進めたマグネシウム合金板材の室温変形中の変形メカニズム解明の結果を基に、既存合金を凌駕する強度、延性、室温プレス成形性を持つマグネシウム合金開発を進めた。その結果、安価かつ良好な耐食性を持つMg-Al-Mn合金に比較的低温の圧延加工と焼なましを施すことで、マグネシウムの特性発現に必要となる微細な結晶組織と集合組織のランダム配向化((0001)面の圧延方向および板幅方向への傾斜)を同時に達成できることがわかった。この組織制御により、近年開発された室温プレス成形型マグネシウム合金よりも優れた強度-延性バランスを付与できることを明らかにし、また、マグネシウム合金圧延材で解決が困難とされていた面内強度異方性の問題も解決できることがわかった。さらに、塑性変形中の組織解析から、二重双晶の抑制および柱面すべりの活性化が、提案合金の高延性化に重要な役割を果たすことも見出した。優れた難燃性を持つ高濃度Mg-Al-Ca-Mn合金の組織制御も進めた。高濃度合金の集合組織制御および延性・成形性の向上は困難な課題と考えられていたが、圧延プロセスの最適化により圧延加工中にせん断帯を導入し、溶体化処理時にせん断帯を起点とした静的再結晶を生じさせることで、(0001)面が主に圧延方向に傾斜した弱い集合組織が得られることがわかった。また、溶体化処理プロセスの最適化によって化合物の分散状況および結晶粒径を制御することにも成功した。この組織制御の結果、高濃度合金でも、優れた強度特性、良好な室温張出し成形性と延性が得られることを明らかにした。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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