研究課題
本研究では簡便高感度な蛍光免疫測定素子であるQ-bodyの更なる性能向上を狙い,本年度は4つの手法でこれを達成した。1. 単ドメイン抗体の利用:研究協力者である琉球大学村上博士から入手した抗血清アルブミンVHHライブラリにコイルドコイル(CC)配列E4を付加した酵母表面提示系を用いてその抗原結合能を確認するとともに,FITC-TAMRA標識CC形成ペプチドK4を付加してCoiled Q-body化し,抗原に対して蛍光応答の高いQ-bodyをセルソーターで選択した。Q-body単体での性能が向上している事を確認したが,ビーズなどに集積させると更に応答が向上する興味深い現象も判明した(Inoue et al. Sci. Rep.)。2. コイルドコイル形成ペプチドを利用した高性能Q-bodyの構築:上記の酵母提示にも用いた2色蛍光標識CC形成ペプチドE4/K4を用いてE4配列を付加したVHHあるいはFab断片のCoiled Q-body化に成功した(Yasuda et al., Chem. Commun.)。この際,予期した順平行CCの他に逆平行CCも生成する事が明らかになり,変異導入により逆平行CC生成を抑えて応答向上が可能な事を見出した。この他近赤外色素を付加することで,がんの光線力学療法への応用を試みた。3. p53認識Q-bodyを細胞内へ導入し,固定細胞のみならず生細胞中のp53の迅速イメージングと陽性細胞のソーティングに成功した(投稿中)。4. C末側にCC形成ペプチドを付加した抗体結合タンパク質Protein M(Coiled Q-Probe)に,1色あるいは2色の蛍光色素で標識したCC形成ペプチドを添加することで,各種のFabあるいはIgG抗体を簡便にQ-body化することに成功した(投稿準備中)。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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