研究課題
タスク【T1】:集束ヘリウムイオンビームミリング(HIBM)技術を用いて、宙吊りグラフェンチャネル上で局所的にナノ孔周期アレイ(グラフェンフォノニック結晶:GPnC)を歩留まり良く形成するプロセス技術を構築し、様々な対称・非対称GPnC構造デバイスを作製した。並行して、3次元有限要素計算によるフォノンバンド構造解析と、分子動力学シミュレーションを用いた非平衡フォノン分布解析を行い、局所フォノン状態密度および温度分布と【T3】で観測した熱整流作用との相関を明らかにした。タスク【T2】:CVDグラフェン膜をSiO2(300 nm)/Si基板上に転写し、単層から10層のグラフェン領域に対しGモードおよび2Dモードの高周波ラマン信号の励起強度依存性を計測した。ファノ共鳴の非対称性から電子・電子、電子・フォノンカップリングを明らかにした。また、STMにより宙吊りGPnCのトンネル分光測定を行い、GPnC外のグラフェン領域ではディラック電子の分散を反映した電子状態が観測されたのに対し、GPnC上ではエネルギーギャップの形成を室温で観測することに成功した。タスク【T3】・【T4】:長さ500 nm、幅1200 nmの宙吊りグラフェンチャネルを形成した後、HIBM技術で直径5~6 nm, ピッチ30 nmの局所GPnC構造を作製し、その両端に電気・熱測定用4端子電極を備えたナノフォノニックデバイスを作製した。環境制御型プローブステーションを用い、環境温度100 ~ 300 Kにおいて、独自に開発したDifferential Thermal Leakage(DTL)法による宙づりグラフェンチャネルの熱伝導を評価した結果、局所GPnC側に熱源を置いた場合に熱伝導率が高くなる非対称性を観測した。その結果、環境温度150 Kで80%超、250 Kで 60%超の高い熱整流率を得ることに成功した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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