研究課題
シリコン製剤の表面状態を制御することによって、腸内に分泌される膵液や腸液との類似環境である37℃、pH8.3の環境において、1gのシリコン製剤から1000mLの水素を発生させることに成功した。水素発生は、24時間以上持続した。したがって、例えば朝晩に0.5gのシリコン製剤を摂取すれば、常時多量の水素を身体に供給できることがわかった。シリコン製剤からの水素発生のメカニズムを見出した。OH-イオンがシリコン製剤上に存在する酸化シリコン膜を通過し、酸化シリコン/シリコン界面で反応して、水素と電子が生成する。この界面反応が、律速反応である。この反応にOH-イオンが使われるため、水素発生反応の速度はOH-イオンの増加、すなわちpHの上昇によって顕著に増加する。界面で生成した電子が酸化シリコン表面で移動し、ここで水分子が電子を受け取り水素とOH-イオンが生成する。一段階目の反応でOH-イオンが消費されるが二段階目の反応で同量生成するため、全体反応が起こればその濃度は変化しない。シリコン製剤の表面近傍には、水素発生反応に伴って、表面に弱く結合している高濃度の水素原子が存在することがわかった。この水素原子がシリコン製剤の還元力の源になっていると結論した。腸内では、生体物質がシリコン製剤の表面領域に存在する水素原子を捕獲し、それが体内を循環してヒドロキシルラジカルに水素原子を供与して水分子を形成することでそれを消滅させると考えられる。シリコン製剤の摂取によって、掌から放出されるヒドロキシルラジカルが効果的に消滅することを、レーザー誘起蛍光法から見出した。シリコン製剤の摂取によって、種々の疾患、特に慢性炎症性の疾患が予防・治療できる可能性を動物実験から見出した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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