サイズが10 nm以下である半導体ナノ粒子(量子ドット)は、バルク半導体が有しない発光特性や量子サイズ効果を示す。しかし、高性能な量子ドットは全てカドミウム化合物である。我々は、カドミウム元素を複数の低毒性元素に置き換えることにより、カドミウムフリーの量子ドットを合成することに成功している。しかし、スペクトル的にブロードな欠陥サイトからの発光ゆえ、その特性は十分だとは言えない。本研究では、量子ドット表面に他種の半導体を被覆するコア・シェル構造体を構成する事で、シャープなバンド端発光を示す量子ドットへ劇的に変身させ、量子ドットを実用性を向上させるコア・シェルテクノロジーの開発を行った。
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