研究課題/領域番号 |
18H03877
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
平原 徹 東京工業大学, 理学院, 教授 (30451818)
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研究分担者 |
秋山 了太 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40633962)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 磁性トポロジカル絶縁体ヘテロ構造 / 二次元磁性体 |
研究成果の概要 |
本研究では新しい強磁性2D v-DW原子層の物質開拓をし、多角的に物性を検証して磁化特性の起源を解明することを目的とした。その結果、Mn4Bi2Te7という新しい2D v-DW磁性体の開拓に成功し、その磁化特性と表面ディラック電子のバンド構造の関係がこれまでの理論で説明できないことを明らかにした。さらにMnBi2Se4/Bi2Se3のサンドイッチ構造において、隣接磁性原子間の磁気的相互作用、およびそれが非磁性元素Seを媒介としていることを世界で初めて実証した。また、論争が続いていたVSe2の磁化特性に関して、低温でも強磁性ではないが、短距離秩序や反強磁性的な振る舞いを示すことを明らかにした。
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自由記述の分野 |
物性実験(量子表面界面ナノ物理)
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によってこれまで極低温にとどまっていたトポロジカル物性と磁性の協奏現象である量子異常ホール効果を高温にする方法が示され、実際に2021年に7 Kという液体ヘリウム冷却で到達可能な温度で実現された。さらに本研究の成果によって表面ディラック電子のバンド構造と磁化特性の関係が従来の理論的な枠組みでは説明されず、新たな理論の構築が必要なことが明らかになった。これらは新しい二次元磁性体の開拓および、そのトポロジカル物性との協奏で予想されている新奇な電気磁気効果の実現に向けて重要な知見である。
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