研究課題
電場駆動型の有機半導体レーザの研究の概念は提案され、実現に向けてさまざまな挑戦が試みられたものの、成功に至らなかった。本研究では、有機半導体レーザ発振を電流駆動で実現する事を目標として研究を遂行した。電場駆動の有機半導体レーザ(el-OSCL)実現のためには、デバイス構造の技術革新が必要であり、電界発光素子(Electroluminescence:EL)がレーザ(Electroluminescence Laser: ELL)として確認されるためには、3つの基本的な実験データを示す必要がある:(1)レーザの閾値---注入された電荷粒子数(N)と発光強度(I)との関係に明確な閾値が存在して、閾値を境として非線形な発光強度が増加現象。(2)急峻な発光スペクトラム精鋭化---閾値を越えると一つの発光波長が選択されて、発光スペクトル幅が急激に狭窄化する現象。(3)共振器増幅---共振器構造で反復増幅されている現象を示す実験的証拠。本研究では、仕事関数の小さいCa/CsF(電子注入電極)と大きいAu(ホール注入電極)のヘテロ電極構造を、高い両極性キャリアの注入/伝達機能と高発光機能を有する光学媒体となる有機半導体(BP3T)に適用する事により、電界駆動レーザー発振の確実な実験的証拠を得た。また、レーザ発振における物理的な基本現象を議論するために、(A)ファブリペロー型共振器構造と(B)分布帰還型(DFB型)共振器構造を比較する実験において、光学励起モードと電流励起モード両方を比較した。結果として、世界で最初の有機半導体における電流励起レーザ発振現象を確認する事に成功した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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