研究課題
モデル空間量子モンテカルロ法で用いるイニシエーター近似は、打ち切ったCI展開と同様のサイズ矛盾なイニシエーター誤差を引き起こす。このイニシエーター誤差に対してBluntが提案した二次エプスタイン・ネスベット摂動補正を、三次摂動まで拡張しサンプリングを改良した手法の開発を行った。水や窒素分子などに対し手法の検証を行い、その有効性を確認した。以上の結果をJ. Chem. Phys.誌に発表した。完全クラスター展開法については、昨年度に引き続きFCCR法からの二次摂動であるFCCR(2)法の実装を行い、当該部分の開発を完了した。その応用として、厳密解に近い有機半導体のスピンギャップやモデル銅酸化物の異性化エネルギーの計算を行った。また、主要理論開発グループとの国際共同研究としてペンゼンの基底状態エネルギーのベンチマークに適用し、他の競合する手法と比較して高い有効性を示した。以上の成果はインパクトファクターの高いJ. Phys. Chem. Lett.誌における二編の論文として発表を行った。スピン射影HF法については二次収束の手法を実装し、遷移金属化合物における収束性が著しく向上することに成功した。
1: 当初の計画以上に進展している
全ての実施計画が達成できており、国際共著論文においても高い有効性を示すことが出来たため。
FCCR法において、Lagrangianを用いた実装を進める。具体的には物理量の計算に必要な縮約密度行列の実装、近似Lagrangianを用いた高速なFCCR法の開発である。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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