研究課題/領域番号 |
18H03920
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
菊池 裕嗣 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (50186201)
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研究分担者 |
奥村 泰志 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (50448073)
樋口 博紀 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (50432951)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 液晶 / 強誘電性 / 自発分極 / 誘電率 / ネマチック / スメクチック |
研究成果の概要 |
研究代表者らは、流体でありながら強誘電性を示す新規液晶物質を発見した。この物質は形状の自由度が高くかつ大きな自発分極や誘電率を示すため、これまでにない応用が期待できるが、その発現メカニズムは明らかとなっておらず、また発現する温度範囲は室温よりかなり高温であるため応用に課題があった。本研究では、新規に強誘電性を示す液晶化合物を合成し、分子構造と強誘電性の相関を調査し、分子長軸方向に一定以上の大きさの双極子モーメントが重要であることを明らかにした。また、混合系の共融現象を利用して室温付近で強誘電性を示す材料の開発に成功した。さらに自作装置を用いてドメイン内での分子の配向状態の可視化に成功した。
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自由記述の分野 |
ソフトマター科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来までに見出されていた強誘電性液晶は、構造の対称性を極性が生じるように下げることで達成されてきた。本研究で見出された強誘電性液晶は高い対称性を有し、分子間の双極子モーメント同士の相互作用により形成される点で特異である。本研究成果はソフトマター分野に直接型強誘電性液晶という新たな領域を切り拓いた点に学術的意義を有する。また、形状の自由度を有しながら大きな自発分極や誘電率を示すため、外場応答性の機能性材料として唯一無二の応用が期待され、社会的意義も大きい。本研究により室温付近に強誘電性を示す材料の開発に成功したことから、さらに応用のポテンシャルは高まったと言える。
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