研究実績の概要 |
本研究では、種々の生命現象におけるヌクレオソーム機能の制御と意義を理解するために、研究代表者独自の方法で任意の位置に特定の修飾を入れた化学構造的にピュアな人工ヌクレオソームを製造し、これらの生細胞内のヌクレオソームダイナミクスを超解像顕微鏡観察を用いて時空間的に捉えて、ヌクレオソーム修飾の意味を明らかにする。また、独自の化学合成を通して、天然にはない標識や反応性官能基、複数の複雑な機能性ユニットをヒストン構造に入れられるので、機能解明を支援する創造的スーパーヌクレオソームを作成して未知のヌクレオソーム機能を明らかにする。 本年度では、コアヒストン4種類(H2A, H2B, H3, H4)およびリンカーヒストンH1の合成法を確立した。H2AおよびH2Bの合成が終了したとともに、既知のH3とH4の合成についても我々独自の合成法を確立した。H1についてもほぼ終了した。合成したヒストンは、601DNAとともにヌクレオソームを再構成させた。また、標識ヒストンバリアントH2A.Xを同様の方法に従って化学合成することができた。
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