2018年度にD-aTNAで構成されるHCR増幅回路を設計し、2019年度はRNA入力でD-aTNAを出力するSNAインターフェース回路を設計した。最終年度である2020年度はこれらを接続し、本提案研究の最終目標であるRNA入力でD-aTNA増幅回路の起動を行った。 まずmiR21を標的としたHCR型の増幅回路を2018年度の成果に基づいてD-aTNAで設計し、miR21入力でD-aTNAを出力するインターフェース回路を2019年度の成果に基づき設計した。この二つの回路を接続し、まずはmiR21非存在下でもリークによる増幅が起きないか調べたところ、リークに基づく蛍光増大はほとんど認められなかった。そこでこのシステムにmiR21を添加したところ、設計通りmiR21の添加でD-aTNA増幅回路が起動して蛍光増幅が観察された。2019年度は、本提案研究の概念を一般化する目的で、RNA入力で天然のD-DNAのエナンチオマーであるL-DNAを出力するインターフェースSNAも設計した。そこでL-DNAでもD-aTNAと同様のHCR増幅回路を設計してSNAインターフェースと接続したところ、D-aTNA回路よりリークによる強い蛍光増大が観察されたものの、miR21添加による蛍光増幅が確認できた。 以上の様に、SNAをインターフェースに用いることで、D-RNA入力→(SNAインターフェース)→D-aTNA(あるいはL-DNA)出力→D-aTNA(あるいはL-DNA)増幅回路起動 というカスケードでシグナル増幅可能なことが明らかとなり、本研究の最終目的を達成することができた。
|