研究課題
1.シルクロースの魚類免疫系への分子作用メカニズムの解明:シルクロースを経口投与したメダカ(Oryzias latipes)に、エドワジェラ症の原因菌であるEdwardsiella tarda を強制感染し、生残率を観察した。その結果、シルクロースの経口投与により、メダカの生残率が有意に向上し、メダカにおいてもシルクロースは耐病性付与効果があることが明らかとなった。そこで、メダカにシルクロースを経口投与し、腸、肝臓、皮膚での遺伝子の発現変化を次世代シーケンサーによる遺伝子発現差解析により調べた。現在、得られたデータの解析を行なっている。2.シルクロースの産生メカニズムの解析と効率的な生産・加工方法の開発:シルクロースに対するポリクローナル抗体を作製した。3.シルクロースの養殖対象魚への作用の解明:世界規模の養殖対象エビであるバナメイエビ(Litopenae vannamei)にシルクロースを経口投与し、ビブリオ菌(Vibrio penaecida)に対する耐病性が付与されるか否かを調べた。その結果、シルクロースの経口投与により、ビブリオ菌に対する抗病性が著しく向上した。4.シルクロースの養殖漁場での実証:愛媛県宇和島市須下の養殖漁場(西川報徳水産)で、養殖シマアジ(Psudocaranx dentex)を実験材料にシルクロース0.1%添加飼料の給餌試験を行なった。同漁場は、体表寄生虫カリグス症の発生漁場で、以前より養殖魚への害が認められていた。試験の結果、シルクロース添加飼料給餌群のカリグス (Caligus longipedis) 寄生数が対照群に比較して有意に減少するとともに、生残数も著しく向上した。さらに魚体の成長も著しく向上した。
1: 当初の計画以上に進展している
養殖漁場でのシマアジを用いた試験において、当初の予想をはるかに上回る効果が認められた。
当初の計画通り、研究を推進する。
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animals
巻: 9 ページ: 100
DOI:10.3390/ani9030100
巻: 9 ページ: 98
DOI:10.3390/ani9030098
Scientific Reports
巻: 8 ページ: 8836
DOI:10.1038/s41598-018-27241-3