研究課題/領域番号 |
18H03962
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
堀口 敏宏 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 室長 (30260186)
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研究分担者 |
久米 元 鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 准教授 (00554263)
姜 益俊 九州大学, 共創学部, 准教授 (20503098)
遠藤 一佳 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80251411)
児玉 圭太 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (90391101)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 潮間帯 / 無脊椎動物 / 底棲魚介類 / 東日本大震災 / 福島原発事故 |
研究実績の概要 |
2019年5~6月に福島県、宮城県及び茨城県の7定点で方形枠を用いた付着生物調査を行い、種組成と種別の個体数密度及び重量密度を調べた。2019年4月に福島県浜通りの15定点でイボニシ分布状況調査を行った。福島県大熊町夫沢と富岡町冨岡漁港、茨城県ひたちなか市平磯(対照地点)で2019年4月以降、イボニシを毎月採集し、成熟状況を組織学的に評価し、生殖周期を調べた。併せて、2019年4月23日に大熊町夫沢で採集したイボニシ132個体を国立環境研究所実験室のガラス水槽で現地水温を模倣して飼育し、毎月10個体ずつ取り上げて、上述と同様に、生殖周期を調べた。これらの夫沢産イボニシが飼育水槽内で産卵したため、孵化したベリジャー幼生を用いて銅、亜鉛、鉛、六価クロムに対する急性毒性試験を実施した。2019年7~9月に福島県の4定点と茨城県平磯でイボニシの産卵状況調査を行った。 また、原発事故後の2017年4月に福島県浜通り11地点で採集したイボニシ試料と、同時期に対照地点(茨城・平磯)で採集されたイボニシ試料からRNAおよびDNAを抽出した。採集後の凍結試料解凍に伴うRNAの損壊を考慮し、RNA-seqを行った結果、福島県産試料では、サンプル当り、平磯と比較して1000~1400の変異が同定された。福島第一原発(1F)周辺10 km圏の試料と1Fから10~20 km圏の試料との間では有意差は見られなかったが、アミノ酸配列の変化を引き起こす変異のみを抽出すると地点により250~350の変異が同定され、1F周辺10 km圏の試料で一様に変異数が多かった。 一方、福島県沿岸における底棲魚介類の個体群動態と群集構造解析を行う一環として、定期調査に加えて、観測定点をこれまでの9定点から16定点に増やし、また調査頻度を隔月としたフィールド調査を2018年10月から2019年8月まで実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者並びに研究分担者の研究課題が、それぞれ、概ね順調に進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も研究計画に沿って研究を進める予定である。
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