農村コミュニティ・ベース・ツーリズムの新展開とソーシャル・インパクト

2022 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 18H03965
• 研究機関: 東京農業大学
• 研究代表者: 大江 靖雄 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (60302535)
• 研究分担者: 加藤 恵里 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (20728258) ; 宮崎 良文 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 特任研究員 (40126256) ; 霜浦 森平 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 教授 (40372354) ; 矢野 佑樹 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 講師 (40618485) ; 小口 孝司 立教大学, 現代心理学部, 教授 (70221851) ; 西山 未真 宇都宮大学, 農学部, 教授 (70323392) ; 齋藤 勝宏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80225698) ; 栗原 伸一 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (80292671) ; 池井 晴美 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 特任助教 (90760520)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 農村ツーリズム / 都市農村交流 / コロナ禍 / 農泊 / 農家レストラン / コンテンツ・ツーリズム

研究実績の概要

1.農業経営における多角化活動として実施されている農家レストランの名称の規定要因について、関東圏と近畿圏での比較分析を行い、共起ネットワークとロジットモデルの計測から、関東では田舎や農地を想起させる言葉で農村への訪問ニーズを引き出し、定番の言葉や読みやすさで消費者の認知と記憶を容易にしようとし、近畿では品質や清潔さをアピールし歴史性や地域資源との連動、多種多様な料理や食材で差別化しようとしていることが判明した。
2.農泊のOTA利用者のオンライン口コミデータ（eWOM）から農泊の特徴との関連性について、共起ネットワークとロジットモデルで計量的に分析し、経営の強みとして接客を上げる経営では、評価との正の相関があることが判明した。このことから、農村ホスピタリティのあり方の重要性を提起できる。
3.コロナ禍のアグリツーリズム経営へどのようなインパクトがあったのかを、タンザニアでの事例調査をもとに、DEAモデルで経営効率性の評価を行った結果、宿泊者が激減したアグリツーリズム農家よりも通常の農家の効率性が高いことを明らかにした。これは、アグリツーリズムの感染症リスクの高さと、在来農業生産のリスク回避効果を示している。このことから、感染症リスクに対してへの農業生産のリスク回避機能を指摘できる。この点は、一般観光業と比較して、農業生産者の長所といえる。
4.コロナ禍後の、アグリツーリズムの展開方向について、OTAの進展やオンライン農産物直販プラットフォームの伸長、若年世代の関心の高まりなどなどの新たな特徴点を指摘し、こうした新たな可能性を踏まえた経営展開の必要性を指摘した。
5．コロナ禍での我が国酒蔵経営への影響と経営的要因との関連性について、アンケート調査結果から計量的に分析し、新製品開発に優れている酒蔵や、リキュール酒を販売している酒蔵では、コロナ禍への深刻な影響回避していたことが判明した。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [国際共同研究] University of Perpignan(フランス)
  • 国名: フランス
  • 外国機関名: University of Perpignan
• [国際共同研究] ラジャマンガラ工科大学ラナ校(タイ)
  • 国名: タイ
  • 外国機関名: ラジャマンガラ工科大学ラナ校
• [国際共同研究] University of Perugia(イタリア)
  • 国名: イタリア
  • 外国機関名: University of Perugia
• [雑誌論文] The Recognition, Measurement and Disclosure of Biological Assets of Selected Agritourism Farms in Region IV-A, Philippines (2024)
  • 著者名/発表者名: Hanna D. Miranda-Quibot and Yasuo Ohe
  • 雑誌名: Journal of Economics, Finance and Accounting Studies 巻: 6(2) ページ: 1-14
  • DOI: 10.32996/jefas.2024.6.2.1
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Exploring the Viability of Utilizing Agricultural and Rural Areas for Tourism: A Comparative Analysis of Farming Between Conventional and Agritourism Farms during the COVID-19 Pandemic (2024)
  • 著者名/発表者名: Issa Kachenje and Yasuo Ohe
  • 雑誌名: Journal of Academics Stand Against Poverty 巻: 4(Special Issue) ページ: 58-75
  • DOI: 10.5281/zenodo.11080927
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Exploring New Opportunities for Agritourism in the Post-COVID-19 Era (2023)
  • 著者名/発表者名: Yasuo Ohe
  • 雑誌名: Agriculture 巻: 13(6) ページ: 1-4
  • DOI: 10.3390/agriculture13061181
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] コロナ禍による酒蔵の経営対応と影響評価 (2023)
  • 著者名/発表者名: 齊藤孝太郎・大江靖雄
  • 雑誌名: 農業経営研究 巻: 61(2) ページ: 91-96
  • DOI: 10.11300/fmsj.61.2_91
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] コンテンツツーリズムの地域社会への心理的・経済的効果 ─アニメ作品を舞台にした埼玉県秩父市を対象として─ (2023)
  • 著者名/発表者名: 堀越聡太・大江靖雄
  • 雑誌名: 日本観光学会誌 巻: 64 ページ: 33-41
  • DOI: 10.51059/nihonkanko.64.0_33
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 農家レストラン名称の東西比較分析 (2023)
  • 著者名/発表者名: 片山達貴・大江靖雄
  • 雑誌名: 日本観光学会誌 巻: 64 ページ: 24-32
  • DOI: 10.51059/nihonkanko.64.0_24
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Assessing the Acceptability and the Feasibility of an Agricultural Package of Technologies for Risk Management in Southern Haiti (2023)
  • 著者名/発表者名: Rival Valchin, Tomohiro Uchiyama, Katsumori Hatanaka, Yasuo Ohe, Absalon Pierre, and Benedique Paul
  • 雑誌名: International Journal of Environmental and Rural Development 巻: 14(2) ページ: 122-231
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] 農泊におけるOTA利用者の評価分析 (2022)
  • 著者名/発表者名: 宮川 薫・大江靖雄
  • 雑誌名: 日本観光学会誌 巻: 63 ページ: 57-63
  • DOI: 10.51059/nihonkanko.63.0_57
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 農業経営の多角化とアントレプレナーシップ (2022)
  • 著者名/発表者名: 大江靖雄・吉田真悟
  • 雑誌名: 農業経営研究 巻: 60(3) ページ: 51-56
  • DOI: 10.11300/fmsj.60.3_51
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Evidence-supported Rural Community-based Tourism and Social Impact (2022)
  • 著者名/発表者名: Yasuo Ohe
  • 雑誌名: Impact 巻: 5 ページ: 40-42
  • DOI: 10.21820/23987073.2022.5.40
  • オープンアクセス
• [雑誌論文] 生活様式の変化を好機ととらえ農村活性化を目指す－マイクロ・ツーリズムとワーケーションへの意識調査からー (2022)
  • 著者名/発表者名: 大江靖雄
  • 雑誌名: JATAFF ジャーナル 巻: 10(9) ページ: 25-31
• [雑誌論文] Motivations and constraints of developing agritourism under the challenges of climate change: The case of Samoa (2022)
  • 著者名/発表者名: Stephen Pratt, Alminda Magbalot-Fernandez, and Yasuo Ohe
  • 雑誌名: International Journal of Tourism Research 巻: 24(4) ページ: 610-622
  • DOI: 10.1002/jtr.2525
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] 乳業メーカーによる食育活動の意識と課題 (2022)
  • 著者名/発表者名: 石田貴士・大江靖雄
  • 雑誌名: 農業経済研究 巻: 94(1) ページ: 31-36
  • DOI: 10.11472/nokei.94.31
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] ボラバイト・プラットフォームにおける賃金決定要因(Revised) (2024)
  • 著者名/発表者名: 平山貴也・大江靖雄
  • 学会等名: ワークショップ「観光経済学」
• [学会発表] コロナ禍の「道の駅」入込客数への影響と回復要因ー岐阜県を対象としてー (2024)
  • 著者名/発表者名: 橋本仰未・大江靖雄
  • 学会等名: ワークショップ「観光経済学」
• [学会発表] Factors Influencing the Accounting for Biological Assets: The Case of Selected Agritourism Farms in the Philippines (2024)
  • 著者名/発表者名: Hanna D. Miranda-Quibot and Yasuo Ohe
  • 学会等名: The 15th International Conference on Environmental and Rural Development, Khon Kaen
  • 国際学会
• [学会発表] Assessing Locals’ Perceptions on the Environmental, Economic, and Socio-Cultural Impacts of Agritourism Versus Conventional Farming in Tanzania (2024)
  • 著者名/発表者名: Issa Abrahaman Kachenje and Yasuo Ohe
  • 学会等名: The 15th International Conference on Environmental and Rural Development, Khon Kaen
  • 国際学会
• [学会発表] EVALUATING TOURISM EFFICIENCY IN JAPAN: Ryokan and educational dairy farms (2023)
  • 著者名/発表者名: Yasuo Ohe
  • 学会等名: Master2 Seminar at University of Perpignan Via Domitia
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 長野県スキー客数の決定要因分析ーDPDモデルを適用してー (2023)
  • 著者名/発表者名: 小松大貴・大江靖雄
  • 学会等名: 2022年度観光経済研究会第2回研究報告会・日本観光学会中部支部大会
• [学会発表] ボラバイト旅行プラットフォームにおける賃金決定要因 (2023)
  • 著者名/発表者名: 平山貴也・大江靖雄
  • 学会等名: 2022 年度日本観光学会関東支部会
• [学会発表] 観光地視点の コンテンツツーリズムの効果 ー埼玉県秩父市を参考にしてー (2023)
  • 著者名/発表者名: 堀越聡太・大江靖雄
  • 学会等名: 2022 年度日本観光学会関東支部会
• [学会発表] Is Agritourism Development Competitive or Complementary to the Local Tourism Sector Evidence from Umbria, Italy (2023)
  • 著者名/発表者名: Yasuo Ohe
  • 学会等名: The 11th ASAE International Conference
  • 国際学会
• [学会発表] Determinant Factors of Incoming Skiers in Nagano, Japan: A Dynamic Panel Data Model Approach from Supply-side Perspective (2023)
  • 著者名/発表者名: Hiroki Komatsu and Yasuo Ohe
  • 学会等名: QATEM Workshop
  • 国際学会
• [学会発表] Investigating Pull Factors of Skiers in Nagano, Japan: An Application of Dynamic Panel Data Model (2023)
  • 著者名/発表者名: Hiroki Komatsu and Yasuo Ohe
  • 学会等名: APTA 2023 Conference
  • 国際学会
• [学会発表] Assessing the Economic Vulnerability of Conventional Farmers Verus Agritourism farmers in Tanzania: A Farm Efficiency Comparison During The Pandemic (2023)
  • 著者名/発表者名: Issa Abrahaman Kachenje and Yasuo Ohe
  • 学会等名: APTA 2023 Conference
  • 国際学会
• [学会発表] Factors Affecting The Efficiency of Selected Agritourism Farms in The Philippines: Application of Window DEA Model (2023)
  • 著者名/発表者名: Hanna D. Miranda-Quibot and Yasuo Ohe
  • 学会等名: APTA 2023 Conference
  • 国際学会
• [学会発表] Investigating the Process of Agritourism Development in Umbria, Italy: In Connection with Local Tourism Sector (2023)
  • 著者名/発表者名: Yasuo Ohe and Adriano Ciani
  • 学会等名: 72th AIEST Conference
  • 国際学会
• [学会発表] 農業法人の多角化戦略と背景・契機および進出方法 －アンケート調査データによる分析－ (2023)
  • 著者名/発表者名: 佐藤和憲・大江靖雄・渋谷往男・半杭真一・今井麻子
  • 学会等名: 令和５年度日本農業経営学会研究大会
• [学会発表] コロナ禍における農泊宿泊者数の回復要因 (2023)
  • 著者名/発表者名: 小嶋敬典・大江靖雄
  • 学会等名: 令和５年度日本農業経営学会研究大会
• [学会発表] 農協の経営効率とその要因分析ー総合農協と専門農協を比較してー (2023)
  • 著者名/発表者名: 外池萌乃・大江靖雄
  • 学会等名: 令和５年度日本農業経営学会研究大会
• [学会発表] Evaluating Profitability of Rural Restaurants and Owner’s Willingness for Business Extension of in Nepal (2023)
  • 著者名/発表者名: Kumar Bhatta, Yasuo Ohe, Y., and Tanaka, T.
  • 学会等名: 日本観光学会第116回全国大会
• [学会発表] History to Present: Agritourism in Japan (2023)
  • 著者名/発表者名: Yasuo Ohe
  • 学会等名: Agritourism in East Asian Countries, Asia Week 2023
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Rural Tourism under The New Normal: New Potentials from A Japanese Perspective (2022)
  • 著者名/発表者名: Yasuo Ohe
  • 学会等名: 10th International Conference on Sustainable Tourism
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] コロナ禍における野菜農家のネット直販サイト利用とその課題―太平洋沿岸東北4県・関東2県を対象として― (2022)
  • 著者名/発表者名: 大江靖雄
  • 学会等名: 園芸植物育種研究所第34回園芸技術講演会
  • 招待講演
• [学会発表] 新型コロナ肺炎流行による農業法人への影響、要因、対策－アンケート調査による分析－ (2022)
  • 著者名/発表者名: 佐藤和憲・大江靖雄・今井麻子・半杭真一・渋谷往男
  • 学会等名: 2022年度日本フードシステム学会大会
• [学会発表] 持続可能なミルクバリューチェーンと学校給食 (2022)
  • 著者名/発表者名: 大江靖雄
  • 学会等名: ラウンドテーブル・シンポジウム 「持続可能な社会の実現に向けて酪農乳業はどのような貢献ができるのか」
  • 招待講演
• [学会発表] Efficiency of Japanese accommodation firms with heterogeneity and input complementarities (2022)
  • 著者名/発表者名: Qibin Liang, Yasuo Ohe, and Nicolas Peypoch
  • 学会等名: The 8th Conference of the International Association for Tourism Economics
  • 国際学会
• [学会発表] Evaluating Agritourism Development in Connection with the Local Tourism Sector in Umbria, Italy: Competition or Complement? (2022)
  • 著者名/発表者名: Yasuo Ohe and Adriano Ciani
  • 学会等名: The 8th Conference of the International Association for Tourism Economics
  • 国際学会
• [学会発表] On the New Potentials of Rural Tourism under the New Normal: Micro-tourism and Workcation (2022)
  • 著者名/発表者名: Yasuo Ohe
  • 学会等名: APTA Conference 2022
  • 国際学会
• [学会発表] Investigating Opportunities for Rural Tourism under the New Normal (2022)
  • 著者名/発表者名: Yasuo Ohe
  • 学会等名: 71th AIEST Conference
  • 国際学会
• [学会発表] フェアトレード製品の購買行動とその要因 (2022)
  • 著者名/発表者名: 多賀文吾・大江靖雄
  • 学会等名: 令和4年度日本農業経営学会研究大会
• [学会発表] コロナ禍による酒蔵の経営対応と影響評価 (2022)
  • 著者名/発表者名: 齊藤孝太郎・大江靖雄
  • 学会等名: 令和4年度日本農業経営学会研究大会
• [学会発表] 農家レストラン名称の東西比較分析 (2022)
  • 著者名/発表者名: 片山達貴・大江靖雄
  • 学会等名: 第72回地域農林経済学会大会
• [学会発表] コロナ禍におけるネット直販農家の満足度とその要因―太平洋沿岸東北4県・関東2県を対象として― (2022)
  • 著者名/発表者名: 山田大夢・大江靖雄
  • 学会等名: 第72回地域農林経済学会大会
• [図書] 実践・アグリビジネス1（編著 井形雅代・Saville Ramadhona） (2024)
  • 著者名/発表者名: 大江靖雄・山田崇裕・木原高治
  • 総ページ数: 78
  • 出版者: 東京農業大学出版会
  • ISBN: 978-4-88694-538-9
• [図書] International Cases in Tourism Marketing (G. Aktas and M. Kozak eds.) (2022)
  • 著者名/発表者名: Maurizio Droli and Yasuo Ohe
  • 総ページ数: 268
  • 出版者: Routledge
  • ISBN: 978-1-03202-313-7
• [図書] Sustainable Tourism X (S. Syngellakis, P. Diaz Rodriguez eds.) (2022)
  • 著者名/発表者名: Yasuo Ohe
  • 総ページ数: 150
  • 出版者: WIT Press
  • ISBN: 978-1-78466-461-9