研究課題/領域番号 |
18H03978
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
稲葉 謙次 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (10423039)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | タンパク質品質管理 / 亜鉛イオン / 亜鉛輸送体 / ERp44 / 小胞体 / ゴルジ体 / X線結晶構造解析 / 細胞イメージング |
研究成果の概要 |
初期分泌経路のタンパク質品質管理において重要な役割を担うERp44が、亜鉛イオン依存的に構造、基質に対する親和性、細胞内局在の制御を受け、機能を発揮することを発見した。さらに、目的のオルガネラにターゲッティングされる亜鉛蛍光プローブを水上進教授のグループと共同で開発し、ゴルジ体における亜鉛濃度の定量に成功した。また、系統的ノックダウン実験により、初期分泌経路に存在する亜鉛トランスポーターのうち、主としてZnT7がERp44の細胞内局在と機能を制御することを明らかにした。以上の研究により、初期分泌経路における亜鉛恒常性維持機構と、ERp44を介した新たなタンパク質品質管理機構の全容を解明した。
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自由記述の分野 |
構造生物科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞のタンパク質品質管理機構の異常は、アルツハイマー病などの神経変性疾患や糖尿病を引き起こすことが数多く報告されている。また亜鉛イオンの恒常性維持の破綻が、発育障害、免疫低下、皮膚病等のいわゆる亜鉛欠乏症を引き起こすことも広く知られる。本研究において我々は、小胞体とゴルジ体における、亜鉛イオンとpHによって制御される全く新しいタンパク質品質管理機構を解明した。さらに細胞内小器官の遊離亜鉛イオン濃度を定量することにも成功し、細胞の亜鉛恒常性維持機構に関する重要な知見を得た。本研究成果は上記の疾患の原因解明・創薬につながり、基礎細胞生物学のみならず、医学的にも非常に重要なものである。
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