研究実績の概要 |
U6 snRNAおよびSAM合成酵素(Mat2A) mRNAをメチル化する酵素であるヒト由来METTL16の脊椎動物に存在するC末端側ドメイン(VCR)が、U6 snRNAのウリジル化酵素であるTUT1に見いだされたRNA結合ドメイン、KA-1と非常に似た構造であることを見出し、VCRがU6 snRNA認識に必要であることをX線結晶構造解析、生化学機能解析により明らかにした (Nucleic Acids Re. Aoyama and Tomite et al., 2020)。また線虫においてU6snRNAおよびSAM合成酵素のスプライシングサイトをメチル化するMETTL10についてもその触媒ドメインMTDの構造解析に成功した。また、アミノアシルtRNAをアセチル化することにより翻訳阻害を起こすAtaT毒素のin vivoの基質を明らかにし、tRNAとの複合体構造の決定に成功し、生化学的解析と合わせることにより、AtaTの基質アミノアシルtRNA認識の分子基盤を明らかにした(nature communications, Yashiro and Tomita et al., 2020)。また、Ile-tRNAIle特異的と報告されていたItaTの構造解析にも成功し、in vivoの基質を明らかにし、その基質認識の分子基盤を提唱した(Nucleic Acids Res. Zhang and Tomita et al., 2020)。それ以外に、サルモネラ由来のTacTとtRNA複合体構造の決定、また大腸菌のAtaT2の構造決定などに成功している。
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