研究課題
本年度は鋳型非依存的なRNA合成酵素として 1)U6 snRNA特異的なオリゴウリジル化酵素(TUT1)のC末端側のKA1を除いた部分とU6 snRNAの変異体の複合体の構造を決定し、TUT1がU6 snRNAを特異的に認識する分子基盤を明らかにした(論文準備中)。2)オリゴアデニル/グアニリル化酵素 (TENT4A/B)のコア領域の構造を中分解で決定した。今後ヌクレオチドやRNAとの複合体解析を行う予定である。3)結核菌の有するヌクレオチド転移酵素群に属する毒素MenAが細胞内でtRNASerを標的とし、tRNAのCCA末端をオリゴシチジル化することを明らかにした。MenAとCTPの複合体の結晶構造解析からCTPの特異的な認識の分子基盤を明らかにした。今後tRNAとの複合体解析も行う予定である。4)線虫の細胞内SAM濃度の恒常性維持に関わるsams3-5の選択的スプライシングを制御するMETT-10のメチル転移酵素ドメインの構造決定に成功し、METT10によるsams mRNAの3’-スプライシングサイトのメチル化(m6A)の分子機構を明らかにした(論文準備中)5)細菌のパシスターに関与するアミノアシルtRNA(aa-tRNA)をアセチル化するサルモネラ由来の毒素TacTがGly-tRNAを特異的にアセチル化することを見出し、TacTとGly-tRNAGlyの複合体の結晶構造解析に成功し、TacTによるGly-tRNAGly特異的アセチル化の分子基盤を明らかにした(Cell Reports 2021)。6)細菌間の接触性増殖阻害(CDI)に関わり、標的細胞内での翻訳因子によって活性化され特異的なtRNAを切断するCdiA-CTEC869と翻訳因子との複合体の構造解析、生化学的解析から翻訳因子によるCdiA-CTEC869活性化の分子機構を明らかにした(NAR 2022)。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nucleic Acids Research
巻: - ページ: -
10.1093/nar/gkac228
Nature
10.1038/s41586-022-04677-2
Cell Reports
巻: 37 ページ: 110130~110130
10.1016/j.celrep.2021.110130