研究課題/領域番号 |
18H03983
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 (2020-2021) 東京大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
深井 周也 京都大学, 理学研究科, 教授 (10361792)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 構造生物学 / 分子間相互作用 / 膜受容体 / てんかん / 足場タンパク質 / パルミトイル化 |
研究成果の概要 |
本研究では、てんかんに関連するLGI1-ADAM22-PSD-95複合体の膜を介したシグナル伝達機構と病態発症の仕組みを理解することを目的として、複合体の立体構造解析を行った。X線結晶構造解析とX線小角散乱解析、クライオ電子顕微鏡を組合せた相関構造解析によって、LGI1とADAM22の相互作用様式の詳細を明らかにした。さらに、病態発症機構が不明であったLGI1の変異が、LGI1-ADAM22の高次会合体形成に異常を引き起こすことをマウスモデルにより示した。また、LGI1-ADAM22によるPSD-95の分子凝縮や14-3-3タンパク質によるADAM22の分解抑制の分子機構の解明に貢献した。
|
自由記述の分野 |
構造生物化学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
てんかんの原因となる分子LGI1とその受容体であるADAM22が結合した状態の立体構造を決定することで、LGI1を介してADAM22ファミリーのタンパク質が神経細胞間の橋渡しをする様子を明らかにし、これまでに知られていたLGI1の変異の中で発症の仕組みが不明であった変異に関して、新たな発症の仕組みを明らかにした。また、神経細胞間の信号伝達に必要な細胞内タンパク質PSD-95の集合状態をADAM22が制御する仕組みや14-3-3タンパク質がADAM22の量を調節する仕組みの理解にも貢献した。これらは、てんかん病態とそれに関連する神経活動の分子機構に関わる今後の研究に役立つ知見になると期待される。
|