研究課題/領域番号 |
18H03990
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
鈴木 匡 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (90345265)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | オリゴ糖転移酵素 / 遊離糖鎖 / ユビキチンリガーゼ / 初代肝細胞 / フォールディング |
研究成果の概要 |
出芽酵母において、小胞体関連分解(ERAD)に関わるユビキチンリガーゼであるHrd1の変異体がOSTの加水分解反応を増強することが明らかとなった。詳しい解析の結果、出芽酵母におけるOSTの遊離糖鎖生成は小胞体ストレスなど、変性タンパク質が蓄積する条件で促進され、タンパク質のフォールディング促進や凝集抑制に機能がある可能性が示唆された。また、OSTの加水分解によって生じると予想されている哺乳動物の血清遊離糖鎖について精製法の検討を行ったところ、新規な糖鎖構造が複数見つかった。またラット肝臓の初代培養を用いて実際に肝細胞がOST由来糖鎖の分泌に関わることを実験的に証明した。
|
自由記述の分野 |
糖鎖代謝生化学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が新たに見出したオリゴ糖転移酵素の加水分解反応は、ドナー基質を加水分解する、という一見無駄な反応であるが、出芽酵母ではタンパク質のフォールディング促進やタンパク質凝集の抑制に関わる可能性が示された。一方哺乳動物細胞では、その加水分解反応が出芽酵母に比べて格段に促進されているが、肝臓が血清に遊離糖鎖を放出できるように進化的に獲得した機能であることが推察される。血清遊離糖鎖の機能はまだ不明であるが、さまざまな免疫反応の調整に関わる可能性が考えられる。
|