私たちの体を作り上げている様々な組織・器官は異なる性質の細胞からなり、この異なる細胞の性質は異なるセットの遺伝子が発現することで決まる。異なる性質の細胞でどの遺伝子のスイッチをオン・オフするかは、ゲノム情報と後天的なエピゲノム情報により調節されている。オフ状態のエピゲノム情報として、ヒストンH3の9番目のリシンのメチル化がある。今回の研究では、H3K9メチル化の下流でどのような因子がオフ状態の調節に寄与しているのかを、網羅的に調べた。その結果、従来知られていた因子だけでなく、複数の新規の因子を同定した。さらに研究を進め、将来、任意に遺伝子のオン・オフを操る手法の開発につなげたい。
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