研究課題/領域番号 |
18H03998
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長澤 丘司 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (80281690)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 微小環境 / 組織幹細胞 / 発生・分化 / 再生医学 |
研究成果の概要 |
造血幹細胞ニッチとは、造血幹細胞が接着し、その維持に必須の微小環境で、その実体の解明が試みられてきた。研究代表者らは、以前、世界に先駆けて造血幹細胞ニッチの実体を解明し、サイトカインCXCL12を著しく高発現する間葉系幹細胞CAR (CXCL12-abundant reticular) 細胞であることを解明した。本研究により、造血幹細胞の発生に必須の転写因子Runx1と骨芽細胞の発生に必須の転写因子Runx2の両方がCAR細胞で特異的に発現し、CAR細胞が線維芽細胞に変化することを抑制し、造血幹細胞ニッチを維持していることが明らかになった。
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自由記述の分野 |
免疫学、血液学、幹細胞生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨髄のCAR細胞は造血幹細胞ニッチを構成し、ニッチ形成に必須で、それぞれ脂肪細胞、骨芽細胞への分化を抑制する転写因子Foxc1、Ebf1/3を特異的に高発現することから、骨髄特異的な細胞系列である。本研究で、CAR細胞が線維芽細胞に変化するのを抑制する転写因子Runx1とRunx2が発見され、CAR細胞が、他の線維芽細胞と異なる性質を持って造血幹細胞ニッチを形成する分子基盤の理解が深められた。また、この成果は、Runx1とRunx2の低下が、様々な造血器腫瘍の予後を悪化させる骨髄線維症の病態形成に関与している可能性を提示し、臨床医学においても重要である。
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