研究課題
ヒトの嗅覚受容体遺伝子ファミリーの多くの遺伝子に新規の構造欠損多型と遺伝子重複・欠失多型を検出した。ヒト参照全ゲノムデータベースでintactである嗅覚受容体遺伝子にも構造欠損アリルが高頻度見られる場合があり、ヒト参照全ゲノムデータベースでnearly intact偽遺伝子である嗅覚受容体遺伝子では構造欠損アリルは低頻度でしか見られない場合があることを見出した。また、遺伝子重複・欠失多型が特定のゲノム領域に偏在する傾向を見出し、クロマチン構造との関連の可能性を示唆した。さらに嗅覚受容体遺伝子ファミリーと中立対照領域を、単塩基多型の主成分分析、塩基配列多型に基づく集団系統樹、塩基頻度スペクトルを評価するTajima’s D指標で比較し、両者の遺伝的多様性の集団分化の違いを評価した。中立対照領域を用いたことで、嗅覚受容体遺伝子ファミリーは集団分化度が高い一方で、多様性のパターンが平衡選択と呼ばれる自然選択により維持されている可能性を示した。オナガザル科と広鼻猿類のintactである嗅覚受容体遺伝子の数と色覚の容態との間に明確な関係性はないことを示した。オナガザル科はその共通祖先において、苦味受容体遺伝子を増加させたのに対し、広鼻猿は真猿類の共通祖先からほとんど変化していないことを示した。オナガザル科のうちコロブス亜科はその共通祖先において、多くの苦味受容体を欠失したのに対し、オナガザル亜科は様々な系統において独立に少しずつ苦味受容体を欠失しており、結果的にintactな苦味受容体遺伝子数は両亜科で類似しているが、構成は異なることを示した。テナガザルはその共通祖先において苦味受容体遺伝子の多くを染色体上のクラスターごと欠失していることを示した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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