研究課題
林分構造変化と気候変動の関係の解析のために、北西カナダのサイトにおいて、現地調査を行った。Picea marianaの密な林分において225m2のプロットを設定し、プロット内の木のサイズ分布を測定した。またプロット内でサイズの異なる7本の木から高さ別に樹幹解析用円盤を採取した。円盤は研磨後、年輪を解析し、個体の成長量を調べた。木のサイズ分布とサンプル個体の成長データから過去の林分現存量を復元した。さらに過去にこの地域で得られた同様のデータから、この地域におけるPicea mariana8林分とPopulus tremuloides2林分の林分現存量の復元を行い比較した。その結果、いくつかの年で成長が同調している林分が多いことが確認された。また、花粉分析学的LRA法による植生復元をおこなうため、平成30年度に採取した3地点の湖沼堆積物について、鉛同位体^<210>Pbを用いた年代測定を実施した。また、フォートスミス周辺において、調査地域の優占種であるPinus banksianaの未開花の雄花試料を採取し、これについて雄花あたり花粉数の計数を実施した。このデータと、リタートラップを用いて測定された単位面積当たり雄花落下数を用いて、単位面積当たりの花粉生産量を推定した。なお、他の優占種であるPicea mariana、Picea glauca、Larix laricina、Populus tremuloidesについては、本年の着花量が極めて少なく、十分な試料が採取できなかった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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