現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
(1) プルキンエ細胞の活動によるヒストン修飾の役割 既に、Mef2のスクリーニングを終了し、Mef2cとMef2dが登上線維シナプス刈り込みに関わる可能性が高いことを突き止めた。また、クラスII HDAC (HDAC4, 5, 6, 7, 9, 10)の 一次スクリーニングを行い、シナプス刈り込みに関与する可能性のあるものを、Hdac5またはHdac9の2つに絞り込んだ。当初計画では、この段階に至るのは令和元年度末であると想定していたので、研究は当初の計画以上に進展していると判断できる。 (2) プルキンエ細胞の活動によるDNAのメチル化の役割 こちらに関しても、DNAメチル化酵素のスクリーニングの結果、Dnmt1とDnmt3bが登上線維シナプス刈り込みに関わる可能性が示されており、研究は順調に進行していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
順調に研究が進展しており、ほぼ計画通りに研究を継続する。 (1) プルキンエ細胞の活動によるヒストン修飾の役割 引き続きMef2cとMef2dの登上線維シナプス刈り込みへの関与について解析を進め、それぞれの分子が、登上線維シナプス刈り込みにどのように関わるのかを明らかにする。さらに、プルキンエ細胞に発現するHAT (Kat1, 2a, 2b, 3a, 3b, 5, 6a, 6b, 7, 8, 9)のスクリーニングを行う。複数のHATを同時にプルキンエ細胞においてノックダウンし、異常がみられた場合には、個々のHATをノックダウンすることによって効果が得られることを確認し、登上線維シナプス刈り込みに関わるHATを同定する。 (2) プルキンエ細胞の活動によるDNAのメチル化の役割 Dnmt1およびDnmt3bのプルキンエ細胞特異的ノックアウトマウスの作製を進め、電気生理学的解析に着手する。
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