シナプス刈り込みは、大脳皮質を含めた生後発達期の神経系で普遍的にみられる現象であり、正常な脳機能の発達に必須である。したがって、そのメカニズムの解明は、脳機能の発達の仕組みを理解するうえで極めて重要である。さらに、生後発達期のシナプス刈り込みの障害が自閉スペクトラム症の、また、思春期における過剰なシナプス刈り込みが統合失調症の発症に関連すると広く考えられており、これらの病態解明や治療法開発の点からも極めて重要である。シナプス刈り込みに関わることが知られている因子の中に精神神経疾患の関連遺伝子が含まれていることからも、その重要性が示唆される。
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