研究課題/領域番号 |
18H04013
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
五十嵐 道弘 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50193173)
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研究分担者 |
武内 恒成 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90206946)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 成長円錐 / リン酸化 / 超解像度顕微鏡 / プロテオミクス |
研究実績の概要 |
1) タンパク質リン酸化の進化解析を行い、代表者がリン酸化プロテオミクスで得た哺乳動物の結果は、線虫・ショウジョウバエで想定されているそれらのリン酸化部位とは大きく異なっていることを示し、単に線虫、ショウジョウバエが生化学的な観点からはシグナル伝達のモデルとはならないことを証明した。 2) 神経成長において、微小管形成の分葉分子であるMAP1Bについて、重要かつ高頻度のリン酸化部位2か所をリン酸化プロテオミクスで特定し、それぞれに対する特異抗体を作成した。これらを使って、MAP1Bの新規リン酸化部位は神経成長に必要であることを見出した。また軸索再生のモデルとして、坐骨神経の損傷系でこれらのリン酸化は神経再生に伴ってリン酸化が高まることを見出した。これらの結果は、MAP1Bの新規リン酸化部位が、神経成長・再生のマーカーとして意義あることを示している。 3) 超解像度観察により、成長円錐に存在する3次元的フィロポディアはガイダンス分子受容体を濃縮できることが分かった。また軸索の超解像度観察により、そのアクチンの周期性を持った分布に関して、新たな膜タンパク質の同様分布を見出した。微小管重合タンパク質の1つであるMAP4と他の細胞骨格との関係、プロテインキナーゼのアイソフォーム間の分布の違いを超解像観察で見出すことに成功した。 4) GAP-43のリン酸化型に特異的に結合する分子を見出し、これらがシナプスでも内因性に結合していることを見出した。このリン酸化が不活性化されると、シナプス伝達、およびマウスの行動に一定の異常が見出された。 5) 脳透明化によるリン酸化型GAP-43の形態学的染色を胎仔脳で成功させ、方法論をほぼ確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リン酸化プロテオミクス、超解像度顕微鏡に関するいくつかの研究はすでに論文化できたので、順調に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
マウスの作成が共同研究者に由来する遅延で、時間を要したが、今年7月には解析可能となるため、これの解析を主に行っていく。また超解像度顕微鏡観察も共同研究者の留学で未着手の部分は、当該研究者の帰国によってintensiveに進めていく。実験補助者の雇用を進め、促進していく。
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