腸内細菌叢由来の生理活性を有する代謝物の同定

2020 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 18H04028
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 竹田 潔 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20309446)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: 粘膜免疫

研究実績の概要

これまでに、マウス小腸粘膜固有層に存在するCX3CR1陽性ミエロイド細胞が、腸内細菌が産生する代謝物の乳酸・ピルビン酸を、GPR31を介して認識し、樹状突起を管腔内に伸長し、管腔内抗原を取り込み、免疫応答を惹起させることを明らかにしてきた。これにより、病原性細菌の消化管感染症に対する抵抗性を高めることも明らかにした。このミエロイド細胞サブセットがヒトにも存在することは、まだ明らかにされていない。昨年度、ヒト小腸粘膜固有層に、GPR31陽性ミエロイド細胞サブセットが存在していることが明らかにした。今年度は、さらにその実態を明らかにするため、ヒト小腸、大腸組織のミエロイド細胞をシングルセルRNA sequence解析を行った。その結果、小腸粘膜固有層に存在するミエロイド細胞の中で、XCR1陽性細胞にGPR31が特異的に発現していることを見出した。XCR1はconventional dendritic cell (cDC)に発現する分子であるため、ヒトではGPR31はcDCに発現する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Oral intake of silica nanoparticles exacerbates intestinal inflammation (2021)
  • 著者名/発表者名: Ogawa T, Okumura R, Nagano K, Minemura T, Izumi M, Motooka D, Nakamura S, Iida T, Maeda Y, Kumanogoh A, Tsutsumi Y, Takeda K
  • 雑誌名: Biochem Biophys Res Commun 巻: 534 ページ: 540-546
  • DOI: 10.1016/j.bbrc.2020.11.047
  • 査読あり
• [雑誌論文] TRPM5 negatively regulates calcium-dependent responses in lipopolysaccharide-stimulated B lymphocytes. (2020)
  • 著者名/発表者名: Sakaguchi T, Okumura R, Ono C, Okuzaki D, Kawai D, Okochi Y, Tanimura N, Murakami M, Kayama H, Umemoto E, Kioka H, Ohtani T, Sakata Y, Miyake K, Okamura Y, Baba Y, Takeda K
  • 雑誌名: Cell Reports 巻: 10 ページ: 107755
  • DOI: 10.1016/j.celrep.2020.107755
  • 査読あり
• [雑誌論文] Manipulation of epithelial integrity and mucosal immunity by host and microbiota-derived metabolites. (2020)
  • 著者名/発表者名: Kayama H, Takeda K
  • 雑誌名: Eur. J. Immunol. 巻: 50 ページ: 921-931
  • DOI: 10.1002/eji.201948478
  • 査読あり
• [学会発表] 口腔内、腸内細菌叢と免疫疾患 (2021)
  • 著者名/発表者名: 竹田潔
  • 学会等名: 第46回日本脳卒中学会学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] ディスバイオ―シスと免疫疾患 (2021)
  • 著者名/発表者名: 竹田潔
  • 学会等名: 第94回日本細菌学会総会
  • 招待講演
• [学会発表] 腸内細菌叢と宿主の相互作用機構 (2020)
  • 著者名/発表者名: 竹田潔
  • 学会等名: 第34回日本バイオフィルム学会学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] Role of microbiota in immune disorders (2020)
  • 著者名/発表者名: 竹田潔
  • 学会等名: 第62回日本消化器病学会
  • 国際学会 / 招待講演