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過不足のない染色体分配は、姉妹染色分体を分離する微小管と動原体との正確な結合のうえに成り立ち、その制御は、染色体パセンジャー複合体（Chromosomal Passenger Complex; CPC）が担う。この複合体がＭ期染色体のセントロメアに特異的に局在することによって、ここにAurora B活性を濃縮し、微小管の結合エラーを解消して正確な染色体分配を保証している。本研究では、CPCがいかにしてセントロメアにおける集合するのかを明らかにするために、CPCのサブユニットであるINCENPのドメイン解析を行ったところ、self-assembly (SA) domainと呼ぶ、集合体を形成するドメインを新たに見出した。本年度はこれについて以下の知見を得た。
1) 集合体を形成するSAドメインは特定の構造をとらない天然変性領域であり、正・負電荷をもつアミノ酸がクラスター状に交互に配置されているという特徴があること
2) SAドメインはその電荷に依存した静電的相互作用により、自己集合する性質があること、またその性質はINCENPおよびCPC全体のセントロメア局在に関与すること
3) SAドメインによるセントロメア局在化は、Aurora Bキナーゼ活性を高いレベルに維持し、Aurora Bが動原体基質を適切にリン酸化することに必要であること
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