ヒトのモデルとしてマカクザルを用いドーパミンとセロトニンによる意欲調節の情報処理機構について調べた。ドーパミン伝達はD1とD2受容体を介して異なる意欲調節に関わることを明らかにした。また、セロトニン伝達低下は報酬価値に依存する・しないの2つの意欲低下を引き起こし、それぞれ5-HT1Bおよび5-HT1A受容体が関与することを示した。これらの受容体の脳内局在から、関連する脳回路基盤が示唆された。さらに、化学遺伝学の手法であるDREADDsを深化させ、マカクザルのドーパミン神経細胞活動を選択的に制御することに成功した。本成果によりモノアミンによる意欲制御や精神・神経疾患の病態理解の進展が期待できる。
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