研究課題/領域番号 |
18H04039
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
伊藤 悦朗 弘前大学, 医学研究科, 特任教授 (20168339)
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研究分担者 |
照井 君典 弘前大学, 医学研究科, 教授 (00333740)
工藤 耕 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20455728)
土岐 力 弘前大学, 医学研究科, 講師 (50195731)
金崎 里香 弘前大学, 医学研究科, 助教 (60722882)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ダウン症候群 / 急性巨核芽球性白血病 / GATA1 / 付加的遺伝子異常 |
研究実績の概要 |
ダウン症の新生児の約10%に一過性骨髄異常増殖症(TAM)と呼ばれる前白血病が発症し、その約20%は急性巨核芽球性白血病(DS-AMKL)に進展する。本研究の目的は、申請者らが発見したDS-AMKLの新規遺伝子変異の機能解析を行い、白血病の多段階発症の分子機構を解明し、新規治療法の開発のために様々な遺伝子変異によって共通に障害される経路を明らかにすることである。令和2年度は、エクソーム解析で見出したDS-AMKLの新規原因遺伝子の機能解析を進めた。 1. X遺伝子の機能解析:最も多いX-PTD変異は、DNA結合ドメインが2つ存在する変異タンパクをコードしていた。X-PTDは、野生型X転写因子とDNA結合配列に違いはみられなかったが、転写活性化能が野生型に比べ有意に低下し、細胞内局在の異常を認めた。初年度に作成したX-PTDノックイン(KI)マウスは高率に白血病(T-ALL)を発症した。その仕組みを明らかにするため、白血病細胞のエクソーム解析を行った。その結果、ヒトのT-ALLで認められるNOTCH1などの12のドライバー遺伝子の変異を検出した。また、骨髄造血幹細胞のATAC-seqとRNA-seq解析により、X-PTDは機能喪失変異であることが明らかとなった。 2. Y、ZおよびA遺伝子の機能解析:Y 、ZあるいはA遺伝子の機能喪失変異が認められたDS-AMKL細胞株に、レトロウイルスベクターを用いて野生型遺伝子を導入した。その結果、野生型の発現は細胞増殖を抑制することが明らかになった。その仕組みを明らかにするために、RNA-seqを行ったところ、これらの野生型遺伝子の発現はいずれもMYC/E2F経路を抑制することが明らかとなった。この結果より、MYC/E2F経路の遺伝子変異がTAMからDS-AMKLへの進展に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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