研究課題
iPS細胞作製技術の応用としてヒトiPS細胞由来のニューロンやグリア細胞を用いた脳疾患モデル細胞研究が進歩しているが、細胞初期化による影響や作製まで数ヶ月を要するなど幾つかの限界がある。研究代表者は、(1) ヒト末梢血単球から2週間で誘導可能な直接誘導ミクログリア様 (iMG)細胞を独自に開発し、(2) ヒト皮膚線維芽細胞から2週間で作製可能な直接誘導ニューロン(iN)細胞の作製技術を改良し、1週間以内 に誘導可能な早期iN細胞の技術開発に成功し、(3) さらにこうした技術を用いて、精神神経疾患の様々な臨床データを取得解析する橋渡し研究 システムを大学病院に構築した。本研究では、精神神経疾患患者から疾患モデル細胞としてのiMG細胞およびiN細胞を作製し、生きた細胞でし か評価しえない項目を測定し、臨床症状との相関解析などにより、疾患特異性を検出し、ダイナミックな細胞レベルでの病態解明を進めてきた。第3年度は、30名以上の患者から、臨床データの取得とともに、血液および一部は皮膚を採取し、iMG細胞およびiN細胞を作製し、一部はiPS細胞由来神経を作製し、その解析を進めた。気分障害、発達障害および認知症関連の患者由来の神経およびミクログリア様細胞において特異的な反応特性を見出しており、結果を論文投稿準備中である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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