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2019 年度 実績報告書

心不全治療を目的としたミオシン軽鎖リン酸化を調節する低分子化合物の開発と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 18H04050
研究機関国立研究開発法人国立循環器病研究センター

研究代表者

北風 政史  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (20294069)

研究分担者 山崎 悟  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (70348796)
塚本 蔵  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80589151)
高島 成二  大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (90379272)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードミオシン調節軽鎖キナーゼ / 肥大型心筋症 / 心不全
研究実績の概要

ヒトcMLCK活性を特異的に阻害する25系統の低分子化合物を同定し、phostag PAGEを用いて実際に基質のリン酸化が低下することを確認した。これらの化合物を用いて動物実験が可能か検討するために、ラットおよびサルのcMLCKでも阻害作用を確認し、阻害活性を有する事を確認した。
化合物の合成展開に当たり結晶構造を得ることが重要と考えた。そこで、cMLCK特異的阻害剤とcMLCKの共結晶構造解析を行うために、cMLCKの大量精製および単分散条件の検討を行った。Sf21昆虫細胞にバキュロウイルスを用いてcMLCKを10Lの大量精製培養システムを構築し、cMLCKを大量に安定して発現させることができた。活性に影響しない程度にcMLCKのN末端を欠損させた結果、単分散を得ることが出来た。また、cMLCKの結合蛋白質であるカルモジュリンも大腸菌のシステムを用いて構築し、大量精製に成功した。これらcMLCKとカルモジュリン蛋白質を混合し複合体を形成させた後、ゲルろ過を実施したところ、推測される分子量の高さに単分散して回収できた。約1000条件での結晶化条件を検討し、結晶化を得ることが出来た。この結晶を用いて現時点で2.65Åでの結晶解析を行う事に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

MLC2vのリン酸化を低下させる低分子化合物を得ることに成功し、動物実験でも使用できることが確認できた。さらに化合物の標的蛋白質の結晶構造を得ることが出来た。

今後の研究の推進方策

1)得られた低分子化合物を培養心筋細胞に対して作用させ、MLC2vリン酸化の減少、心筋収縮性抑制効果を確認する。
2)肥大型心筋症を引き起こすサルコメア蛋白質の変異を導入した培養心筋細胞の系を構築し、化合物の効果を判定する。
3)HFpEFモデルやHCMモデルマウスを導入または作製して効果を判定する。
4)化合物との共結晶化条件を検討し、共結晶構造を取得する。それにより化合物のさらなる合成展開に繋げる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Direct Sarcomere Modulators Are Promising New Treatments for Cardiomyopathies.2019

    • 著者名/発表者名
      Tsukamoto O.
    • 雑誌名

      Int J Mol Sci.

      巻: 21 ページ: pii: E226.

    • DOI

      10.3390/ijms21010226.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 直接的サルコメア制御剤による新しい心不全治療薬の開発2019

    • 著者名/発表者名
      塚本蔵
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 37 ページ: 143-149

  • [雑誌論文] 心臓病における創薬開発、新たな治療介入で疾患を克服する2019

    • 著者名/発表者名
      山田憲明, 塚本蔵
    • 雑誌名

      心臓

      巻: 51 ページ: 1252-1259

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公開日: 2021-01-27  

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