研究課題/領域番号 |
18H04069
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
林 邦彦 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (80282408)
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研究分担者 |
片野田 耕太 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 部長 (00356263)
篠崎 博光 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (30334139)
安井 敏之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (40230205)
李 廷秀 東京医療保健大学, 医療保健学研究科, 教授 (60292728)
井手野 由季 群馬大学, 数理データ科学教育研究センター, 准教授 (60616324)
長井 万恵 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (90760067)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 女性コホート研究 / ヘルスケア / 予防 / リアル・ワールド・エビデンス / 女性の健康 |
研究実績の概要 |
当研究課題は,大規模女性コホート研究である日本ナースヘルス研究(JNHS)の長期継続調査データから,女性ホルモン剤,ビタミン剤などサプリメント,婦人科検診の定期的受検,ロコモ予防の体操・運動,若年時からの体重管理といった保健習慣やヘルスケア法の有効性・安全性について包括的な評価を行うことを目的としている。 本年度は,(1)JNHS調査として,定期継続調査(対象者の登録時期に応じて,登録後14年後,16年後,18年後,20年後調査票の送付),転居による未回答者への継続調査票の再送付,同意に基づく住民票照会による死亡確認調査,および人口動態統計調査・死亡票との照合による死因調査を継続して行った。 (2)ヘルスケア利用者を特定して,女性ホルモン剤(低用量経口避妊薬・低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬【OC・LEP】およびホルモン補充療法【HRT】)の生涯利用経験者割合(井手野由季ら.日本女性医学学会雑誌)や,サプリメント利用者の特性(Kishi M, et al. J Nutr Sci Vitaminol)について論文報告を行った。標的とする健康事象については,JNHS確認調査における妥当性の検討を行い,乳癌および婦人科癌(Takamatsu K, et al. BMJ Open),その他の癌(Katanoda K, et al. Asian Pac J Cancer Prev)について論文報告をするとともに,周閉経期における物忘れとHRT利用との関連について論文報告を行った(Hayashi K, et al. Women's Midlife Health)。 (3)世界女性コホート研究コンソーシアムInterLACEでの国際比較研究においては,JNHS継続調査データの追加統合をInterLACEデータセンターにおいて実施し,統合データセットの構築を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定期的に実施している各種調査の継続,および,ヘルスケア利用者の特定,標的健康事象の発症例や死亡例特定など,予定通り順調に進んでいる。 今年度で標的健康事象での妥当性評価がほぼ終了し,ヘルスケア利用者の特定作業,標的健康事象の発症例の特定作業も順調に進んでいる。これで,来年度実施する,追跡20年間のJNHSデータを使用した各種ヘルスケア利用と各種癌や循環器疾患などの健康事象との関連について分析を行うための準備が整った。 また,InterLACEデータとJNHS継続調査の追加データとの統合作業が終了し,統合データセットの構築を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後,毎年3回にわたって行う定期継続調査票の送付(新規定期継続調査票の送付および未回答者への再送付),転居などによる宛先不明例における住所照会,死亡確認調査,死因調査を継続して行う。 追跡20年間のJNHSデータを使用して,各種ヘルスケア利用と癌および循環器疾患との関連について分析を行う。特に,卵巣癌,深部静脈血栓症・肺塞栓症などの希少疾患においては,大規模女性コホートを対象に長期間の継続観察を行うことでしか,ヘルスケア利用との関連は見いだせないと考えられる。来年度は,これら希少疾患と女性ホルモン剤利用との関連の分析を中心的課題として取り組む予定である。 JNHS継続調査データを追加した,InterLACE統合データセットを用いて,ヘルスケア利用および健康事象との関連について国間・民族間の比較を行う。統合データセットの統計解析は,研究分担者(井手野由季,長井万恵)がInterLACEデータセンター(豪州University of Queensland)で実施する予定である。
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