研究課題/領域番号 |
18H04070
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橋本 英樹 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50317682)
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研究分担者 |
飯塚 敏晃 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00406810)
松居 宏樹 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (70608794)
合田 和生 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80574699)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高齢社会 / ミクロシミュレーション / 社会保障 / 疾病推計 |
研究成果の概要 |
高齢者将来疾病負担シミュレータを開発し、高齢社会の社会保障費用(主に医療介護)と就労所得による財政貢献のネット影響を推計すること、仮想政策シナリオの影響を検討することを目的とした。当初予定した国外比較研究はコロナ禍のもと断念した。2043年時点の疾病負担と必要な60歳以上医療介護費は約39.7兆円、健康状態・年齢・学歴別に就労確率推計と2016年段階の各層の平均稼働所得を用いて計算した総稼働所得は約43兆円と推計された。高齢・高学歴女性の就労率の改善によって所得推計のさらなる上昇が見込まれたが、健康状態の改善による変化はわずかだった。高齢社会の将来の社会保障の在り方に一石を投じる成果を得た。
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自由記述の分野 |
医療経済
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミクロシミュレーションを用いることで、健康状態・機能状態・就労参加など多様な高齢者の像を踏まえた将来インパクトの推計が示された。近未来の高齢社会日本では、高齢者の健康機能状態は保たれており、学歴向上による就労参加・生産性向上が見込まれることから、社会保障費の削減問題に留めず、より人材開発的な観点から政策議論する必要があることが確認された。一方、学歴や性別による健康状態・就労状況の格差が広がる可能性が懸念された。本研究の成果は、ミクロシミュレータを用いて、高齢者の多様性を踏まえた高齢社会研究を切り開くとともに、高齢社会の維持可能性を高める政策議論に対して一石を投じるものとなった。
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