研究課題/領域番号 |
18H04072
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川上 憲人 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (90177650)
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研究分担者 |
西 大輔 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (40450605)
今村 幸太郎 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任講師 (80722793)
小山 博史 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (30194640)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ストレスマネジメント / 人工知能 / 認知行動療法 / インターネット |
研究実績の概要 |
1.プログラムの開発 1)共通プロトコルによるプログラムの開発:申請者らが開発し労働者で効果検証を行ったインターネット認知行動療法プログラム他をもとに、これをうつ病・不安障害共通プロトコルに改訂した。このために国際産業保健学会(ダブリン)に参加し情報収集するとともに、世界精神保健調査会議(ボストン)で、アムステルダム自治大学のCuijpers教授から助言を受けた。2)プログラムのAI化に関する検討:プログラムのAI化の要素に関する検討を行い、セルフモニタリング、認知再構成、行動活性化の3要素をAI化することに決定した。セルフモニタリングの支援の自動化のために、大規模なインターネットデータを収集し、これを機械学習で解析しアルゴリズムを作成した。認知再構成の自動支援のために、これまでの申請者らの研究で収集された宿題とスタッフからのコメントだけでは不足であることがわかり、さらに民間企業が所有する大規模なデータを入手した。これをもとにAI化するための作業を行っている。3)基本アプリケーションの開発:プログラムの利用環境をスマートフォンに変更するために、基本となるアプリの開発を行った。 2.アウトカム指標の準備:大うつ病・気分障害の12ヶ月の新規発症を測定するためのWHO統合国際診断面接(WHO-CIDI)第5版(DSM-5対応)を世界精神保健調査会議(ボストン)で入手し和訳を行った。 3.介入研究の準備:3アームの無作為化比較試験として研究デザインを検討し、調査対象企業との交渉を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
認知再構成の自動支援のために、これまでの申請者らの研究で収集された宿題とスタッフからのコメントをもとにAI化することを計画していたが、これだけではアルゴリズムの開発不足であることがわかった。そのために、さらに民間企業が所有する1万件を超える大規模なデータを入手し利用することとした。これをもとにAI化するための作業に時間を要しているため、プログラムの開発が6ヶ月程度遅れている。 また、アウトカム指標のWHO統合国際診断面接(WHO-CIDI)第5版(DSM-5対応)の開発が遅れており、和訳の作成が2018年度末にずれこんだ。今後和訳の確認、修正、妥当性検討を行う必要があり、作業が3ヶ月程度遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
遅れている認知再構成の自動支援プログラムの開発、WHO統合国際診断面接(WHO-CIDI)第5版日本語版の開発を進め、2019年度後半にはプログラムを完成し、研究デザインを確定、倫理審査とプロトコル論文の投稿を済ませ、2019年度中には臨床試験に入れるように進める。
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