研究課題/領域番号 |
18H04072
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川上 憲人 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (90177650)
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研究分担者 |
小山 博史 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (30194640)
西 大輔 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (40450605)
今村 幸太郎 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任講師 (80722793)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 産業精神保健 / 認知行動療法 / 人口知能 / 健康教育 / 無作為化比較試験 |
研究実績の概要 |
AIを利用して完全に自動化したiCBTプログラムを開発し、労働者における抑うつの改善効果を無作為化比較試験で検証した。介入群はAI支援型認知行動療法プログラム「Smartくん」を10週間学習した。「Smartくん」は、ウェブ上に構築されたインタラクティブプログラムである。6つのモジュールでは1)ストレスの考え方、2)認知行動モデル、3)行動活性化、4)5)認知再構成、6)問題解決技法を、補足モジュールではコロナ禍におけるストレス対処について学ぶ。モジュール1では質問票で自分のストレス状態を評価できる。モジュール2,4,5では、2万件の自由記述データから深層学習により作成した認知再構成の自動化指導アルゴリズムを組み込んだ。モジュール3では2800人のデータから行動プラン作成を支援するシステムを開発した。モジュール1-6は1週間に1回ずつ学習可能となり、補足モジュールはいつでも学習できる。プライマリアウトカムは、3ヶ月後、6ヶ月後の抑うつ(Beck Depression Inventory II)得点である。混合モデル分析(ANOVAモデル)を用いて各調査時点の介入効果を推定した。 介入群と対照群に648人ずつを割り付けた。介入群の85%がプログラムの少なくとも一部を、54%が全てを学習した。3ヶ月目調査の追跡率は介入群と対照群それぞれ80%と90%、6ヶ月目調査の追跡率はそれぞれ80%と85%だった。混合モデルでは、3および6ヶ月時点の介入効果(係数と標準誤差)はそれぞれ-1.11 (0.54)、-1.37 (0.59)でいずれも有意であった(p=0.038とp=0.020)。 AI支援型認知行動療法プログラム「Smartくん」は、労働者の抑うつの改善に効果的であると考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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