研究課題/領域番号 |
18H04077
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
磯 博康 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50223053)
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研究分担者 |
澤田 典絵 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 室長 (00446551)
桜井 直美 (駒田直美) 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (10274979)
木山 昌彦 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防健診部・健康開発, その他部局等, その他 (10450925)
山岸 良匡 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20375504)
奥野 良信 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 理事長 (30112064)
安田 誠史 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (30240899)
野田 愛 (池田愛) 順天堂大学, 医学部, 特任准教授 (10616121)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 感染症 / 細菌 / ウイルス / 認知症 / コホート研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、認知症発症における中枢・末梢神経系や循環器系に影響を及ぼす細菌・ウイルス感染の関与について、凍結保存血清を用いたコホート内症例・対照研究により、検討を行うことを目的としている。 本研究対象集団において、感染者が非常に少ない、あるいは非常に多い細菌・ウイルスに関しては統計学的観点から認知症発症との関連性の検討が困難となる。そこで、平成30年度は検討可能な細菌・ウイルスを決定するため、性・年齢を概ね一致させた認知症発症例33例、非発症例66例を対象に細菌・ウイルスの感染状況・認知症との関連分析可能性を評価した。エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、単純ヘルペス(HSV)1・2型、ヒトヘルペスウイルス(HHV)6型、マイコプラズマ、インフルエンザ、肺炎クラミジア菌を対象とした。 EBV (EBNA)抗体量20倍以上、HSV2(NT)抗体量8倍以上は約6割、CMV(CF)抗体量32倍以上、HSV1(NT)抗体量16倍以上は約7割、HHV6型IgG抗体量80倍以上、マイコプラズマ抗体量(PA)40倍以上は約1割であった。クラジミア肺炎IgG抗体価陽性(EIU>45)は約9割、クラミジア肺炎IgA抗体価陽性(EIU>45)は約2割であった。インフルエンザのIgG抗体濃度の平均値は、A(H1)で48 mg/L、A(H3)で43 mg/L、Bで32 mg/Lであり、いずれも概ね正規分布していた。 測定結果より認知症発症との関連が期待される候補感染症として、今年度はCMV、 HSV2、HHV 6の測定を行った。予備的な解析の結果、認知症発症との関連はCMVで認められたが、HSV2では認められなかった。結果の解釈について、さらなる検討が必要である。HHV6との関連は追加測定を踏まえて検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
検査委託機関における検査実施上の問題により、検体測定に遅れが生じたため、2018年度の研究実施期間を1年間延長して実施したため。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度はCIRCS研究:大阪府八尾市南高安地区:2000~2017年の介護保険でⅡa以上の認知症要介護者400例、同地域で性、年齢、健診受診年(血清保存年)をマッチさせた対照400例、合計800例および、JPHC研究:2006~2017年の介護保険から把握した症例500例、対照500例、合計1000例(長野県佐久市、沖縄県中部市)について、2018年度の結果を踏まえ、細菌・ウイルス感染抗体価を測定し、解析する。
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