研究課題/領域番号 |
18H04079
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
武林 亨 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (30265780)
|
研究分担者 |
岡村 智教 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00324567)
寳澤 篤 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (00432302)
原田 成 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10738090)
曽我 朋義 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (60338217)
仰木 裕嗣 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 教授 (90317313)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | フレイル / 認知機能 / コホート研究 / メタボローム |
研究実績の概要 |
(1)新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響のため、本研究への参加者のリクルートのうち、認知機能検査パートについては、一旦中断した上で再開し、感染予防対策に留意しながら継続している。そのため、本研究計画では、2018年度に実施したフレイルに関連する身体機能評価の解析を先行させながら、認知機能に関連するサブコホートは、引き続き、検査を継続して実施している。 (2)認知機能評価を実施するサブコホートは、2021年3月末までに計370名(男性146名(39.5%)、女性224名(60.5%)、平均年齢73.3±4.0歳)の評価を完了した。このうち、検査結果の確認を終えた347名の解析では、MMSEの中央値と四分位範囲は28 (26,30)、 MoCA-Jの中央値と四分位範囲は26 (23,27)であり、認知機能低下が疑われる者は161名(46.4%)、内訳は男性77名 女性84名(うち2名は、その後の確認で、調査時点で認知症診断済)であった。 (3)身体機能評価を実施するサブコホートは、2018年度の調査参加者2163名のうち、体組成測定または握力測定を実施しなかった者を除外した1702名(男性756名、女性943名)を対象に統計学的解析を開始している。これまでの解析では、握力がAWGSの基準値(男性28kg、女性18kg)未満の者は男性10.9%、女性13.8%、歩行速度の基準値(1.0m/s)未満の者は男性26.2%、女性16.3%、5回椅子立ち上がりテストが基準値(12秒)以上の者は男性15.3%、女性21.8%、SPPBスコアが基準値(9点)以下の者は男性62.3%、女性56.9%、四肢骨格筋量(kg/m2)が基準値(男性7.0、女性5.7)未満の者は男性28.6%、女性27.3%であった。またいずれの指標も、年齢の増加とともにその割合が増加していた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
身体機能評価については、ベースライン調査のデータ解析を開始しており、当初計画を上回る参加者数も得ていることから、順調に解析を進めている。一方、認知機能検査パートについては、新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響のため、一旦中断した上で再開し、感染予防対策に留意しながら継続している。そのため、認知機能に関連するサブコホートは、引き続き、検査を継続して実施している。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響により、健診や調査現場の運営を縮小せざるを得ず、当初計画していた5年間で2回の調査を実施することは困難となった。これに対する対処・推進方針として、以下を実施する。(1)フレイル(身体機能評価)については、ベースライン調査参加者が当初計画を大幅に上回る約1700名のデータを取得でき統計学的検出力を十分に得られたことから、その参加者に関する測定項目を増やす、あるいは6年前に取得した検体やその後の追跡情報の活用によって、より精緻でまた縦断的な評価が可能となるようにする。(2)認知機能評価については、当初目標である500名のリクルートを達成すべく調査を継続する。すでに調査参加希望者は400名を超えている上、追加リクルートのための説明会も再開しており、数的には目標達成の目処はついている。また本年度より、これまでに集積した370名のデータを用いた統計学的解析を開始し、成果に結びつける。
|